現役生活に幕下ろした西武・岡本篤 「一番の心残り」と引退後の「楽しみ」

最後は直球勝負で空振り三振、同僚の気配りに「泣きそうになった」

 28日に引退会見を行った西武・岡本篤志投手は同日に行われたシーズン最終戦の7回に登板した。日本ハム大野奨太に対し、渾身の141キロ直球。「相手も、最後は完全に気を遣って振ってくれたと思う」。謙遜気味に苦笑したが、三振という最高の形で現役生活に幕を下ろした。

 ラッキーセブンのセレモニーが終わり、7回のマウンドへ。ブルペンを出た瞬間から、次々と熱いものが込み上げてきた。

「ベンチの(渡辺)直人さんが、わざわざ外野手とのキャッチボールに出てきてくれたり、マウンドでは、クリ(栗山巧)が待っていてくれたり。あれには泣きそうになってしまった」

 外野手(左翼)である栗山が、手でプレートの土を払い、足場を均し、“最後の舞台”を清めて迎えてくれた。白球を受け取り、“グータッチ”を交わすと、さすがに目を赤くせずにはいられなかった。

「でも、ここで泣いたらあかんと思って。クリとは13年間丸々一緒やったし、直人さんとは、期間こそ長くはないですけど、日頃かなりお世話になっている先輩なので、本当に嬉しかったです」

 彼らの男気に応えるべく、最後の一打席は、4球すべて直球勝負を貫いた。

 セレモニーで胴上げされ、ユニフォームを脱いだ背番号22は「日本ハムさんの優勝が懸かっている中、申し訳ない気持ちもありましたが、『引退登板』という、最後にファンの皆さんの前で投げさせてもらえる花道を作っていただき、球団には感謝しかありません」と、改めて深い謝意を語った。

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