打者は中日ビシエド、投手はDeNA今永 セイバー目線で選出、8月の月間MVP【セ編】

DeNA・今永昇太【写真:荒川祐史】
DeNA・今永昇太【写真:荒川祐史】

打撃好調好調だった中日、あらゆる指標でビシエドが1位

 大きな順位の変動がなかった8月のセ・リーグ。月間成績は以下の通りです。

巨人 15勝1敗 打率.229 OPS.713 本塁打32 援護率4.64 先発防御率3.84 QS率48.2% 救援防御率2.76

DeNA 14勝13敗 打率.238 OPS.668 本塁打25 援護率4.03 先発防御率4.62 QS率29.6% 救援防御率4.60

阪神 12勝12敗 打率.250 OPS.690 本塁打18 援護率2.82 先発防御率4.22 QS率36.0% 救援防御率2.91

中日 11勝12敗 打率.273 OPS.740 本塁打23 援護率4.04 先発防御率4.40 QS率48.0% 救援防御率2.94

広島 13勝14敗 打率.266 OPS.730 本塁打24 援護率4.64 先発防御率4.04 QS率55.6% 救援防御率5.02

ヤクルト 12勝15敗 打率.268 OPS.794 本塁打43 援護率5.90 先発防御率4.79 QS率44.4% 救援防御率4.14

 8月だけの勝敗でいえば、巨人とヤクルトまでのゲーム差は3.5。大きな順位変動がないのも頷けるでしょう。

 巨人は月間打率.229とリーグ最下位ですが、長打率.398はリーグ3位、本塁打32はリーグ2位で、得点120はリーグ2位となっています。月間防御率3.42はリーグ1位で、9月1日時点で2位DeNAに4ゲーム差をつけて首位をキープしています。

 最下位のヤクルトですが、巨人を上回る43本塁打、140得点をマークしました。しかし、防御率4.53と投手陣がふるわず月間で3つの負け越し。浮上のきっかけがつかめませんでした。

 DeNAは勝ち越してはいるのですが、防御率4.61はリーグ最下位。先発の防御率が4.62、QS率が29.6%と早い回での失点が目立ち、27試合中15試合で先制されました。救援もこれまでの疲労が蓄積したのか、打ち込まれることが目立つようになってきました。

 セ・リーグの月間MVPは9月11に発表予定ですが、セイバーメトリクスの指標による8月の月間MVP選出を試みます。

 8月月間MVP セ・リーグ打者部門

○ビシエド(中日) OPS1.072 wOBA.453 wRAA11.64 長打率.649(すべてリーグ1位)

 中日の打者の活躍が目立ちました。

アルモンテ 打率.440 22安打 本塁打3 打点10 得点圏打率.545(12試合)

ビシエド 打率.381  37安打 本塁打4 打点20 得点圏打率.318(25試合)

福田永将 打率.318 28安打 本塁打8 打点22 得点圏打率.348(25試合)

 アルモンテは8月13日まで打率.440、OPS1.100と大きく貢献してきたのですが、右太ももを痛めて登録抹消。中日にとって大きな痛手でした。それでも、アルモンテの離脱をカバーするかのようにビシエドが安打を量産。打率、安打ともリーグ1位の活躍をみせました。公式の月間MVP最有力候補です。
 
 セイバーメトリクス指標による評価でも、出塁率と長打率を足して評価するOPSで1.072、各プレーの特典価値を累積して算出するwOBAで.453、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAで11.64とすべてでリーグ1位になりました。

規定投球回未満も、今永がブキャナンを上回る

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