暴れ馬のような“制球力” 無限の可能性感じさせる阪神23歳右腕
台湾ウィンターL投手MVP、先発ローテ入り狙う15年ドラ5青柳
無限の可能性を感じさせる右腕がいる。阪神・青柳晃洋投手。帝京大から15年ドラフト5位で入団。ルーキーイヤーの昨季は13試合に登板し、4勝5敗、防御率3.29の成績を残した。本人は「ここまで投げられると思ってなかった」とシーズン後に本音を口にしたが、1軍クラスの打者にも十分通用することを結果で示した。
一番の武器はサイドとアンダーの中間から投げる変則フォーム。140キロ台中盤の直球とスライダー、ツーシーム、チェンジアップで打者を翻弄する。「コントロールは曖昧」と本人が口にするように暴れ馬のごとく適度に散らばる“制球力”も成功した要因だろう。1軍デビューとなった3月5日のロッテとのオープン戦(甲子園)では初回先頭の初球から10球連続ボール(3四球)。いきなり無死満塁のピンチを背負ったが、2回1安打2失点で切り抜け、首脳陣をヒヤヒヤさせた。
高知・安芸秋季キャンプではクイックの精度、新球・カーブを取得するため連日のブルペン入り。紅白戦でも結果を残し、金本監督からは「ローテ候補に入ってくる。日々、成長している」と好評価を得るなど、成長した姿を見せた。さらに台湾で行われたウィンターリーグでは6試合に登板し、3勝0敗、1セーブ、防御率1.45の成績を残し、投手MVPに輝いた。
2017年シーズンの先発ローテは藤浪、メッセンジャー、岩貞、能見の4枚は確定。残り2枠を秋山、ドラフト2位・小野、望月らと争うことになる。開幕ローテ入り、2桁勝利を目標に掲げる右腕は「全てを狙っていけるように頑張るだけ。しっかり練習して期待に応えられるようにしたい」と活躍を誓っている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count