「悩んでいた」ソフトB五十嵐、2軍戦で見せた復調への道筋 その要因とは?

調整登板で2軍戦1回完全、なぜか背番56で登板「ネタになるかなと思って」

 復調への道筋が見えた。ソフトバンクの五十嵐亮太投手。29日のウエスタンリーグ広島戦(タマスタ筑後)で調整登板の場を踏んだ37歳は1イニングをパーフェクトに封じ、「前回に続いて、全ての球種でストライク、空振りが取れたし、自分の中ではいけるんじゃないかというピッチングができた」と納得の表情を浮かべた。

 7回から2番手でマウンドに上がった五十嵐。先頭のメヒアを投ゴロに切ると、続く美間から、今季から持ち球に加えたフォークで空振り三振を奪った。最後は船越を遊ゴロに切り、3者凡退に封じた。「フォークを2球続けて、2球とも同じところで同じような空振りを取れた。現時点では良かったかな」と話し「(今季は)フォークは絶対に投げます。どこで投げるかのイメージはできている」と、手応えを掴んだようだ。

 19日の西武戦(メットライフ)で2失点、23日の阪神戦(ヤフオクD)で1失点するなど、不安を残していたベテラン。「自分の投球スタイルが定まっていなかった。いろんな角度から見て、足りないところ、欲しいところを考えて、悩んでいた。シンプルにできなかった」と試行錯誤を繰り返していた。行き着いた先は、ごくシンプルなこと。「単純に強い球。強い球を投げることに取り組んだら良くなった」という。
 
 この日のマウンドには、なぜか背番号「56」で上がった。「みんなが冷たいから、ネタになるかなと思ってサービスしたんだよ。ユニホームを忘れたわけじゃないよ」と冗談めかした五十嵐。勝利の方程式は、8回岩嵜と9回サファテは決まっているものの、7回は定まっていない。五十嵐が本調子を取り戻せば、そこへの不安もなくなるだろう。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY