論議呼ぶMLBの敬遠申告制導入 イチローが地元紙に明かした意見とは…

米紙に否定的見解、4球を投じる“時間”には「大きな意味」

 メジャーでは、今季から敬遠申告制を導入することになった。監督が主審に敬遠を告げれば、投手が4球投げることなく、打者は自動的に一塁に出塁できる新ルール。試合時間の短縮を狙ったルール改正だが、マーリンズのイチロー外野手は「敬遠の4球はベースボールにとって大きな意味がある」と語り、ルール変更に改めて否定的な見解を示している。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」で語っている。

 ビデオ判定やリプレーの導入、本塁でのコリジョンルール導入など、近年はさまざまなルールや規則変更に取り組んでいるMLB機構だが、メジャー17年目のシーズンを迎える背番号51は、敬遠申告制導入に否定的な発言をしている。

同紙の取材に対して「確かに少しは(試合時間を)削ることはできるかもしれません」と通訳を介して前置きをしたイチローは、そこから持論を展開したという。

「敬遠の時間は独特の雰囲気に包まれます。自分が次打者として控えている場合、向かう打席について4球分は考える時間がある。でも、今はそれが完全になくなってしまった。こういうことが野球では大きな意味を持つ。肌で感じる雰囲気、ひらめく予測、この4球の間にいつも感じられる全てのことが、今ではなくなってしまったのです」

 投手が敬遠の4球を投じる時間は、スタンドの観衆のみならず、打席に向かうイチローや打者にとっても特別な時間だったという。MLBが敬遠に対するルール変更を検討段階だった昨年5月には、「それも野球の一部。変える必要はない」とルール変更への反対を主張していたが、変更決定後も意見が変わることはなかったようだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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