亡命した鷹コラスどうなる? 契約保留者のためMLB球団との早期の契約は不可能

ソフトバンクのオスカー・コラス【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのオスカー・コラス【写真:藤浦一都】

野球協約では契約保留者は外国のいかなる球団とも交渉できないと定められている

 衝撃的なニュースだった。2020年を迎えたばかりの3日(日本時間4日)、ソフトバンクのコラスがMLB挑戦に向けてアメリカに亡命するためにキューバを出国したと、MLB公式サイトなどが伝えた。

 コラスは2017年5月に18歳の若さで育成選手としてソフトバンクに入団。モイネロと共に来日した。2年間、育成選手としてプレーし、2019年途中に支配下登録。8月18日の西武戦で1軍デビューを果たすと、初スタメンで初打席初球本塁打を放ち、センセーショナルなデビューを飾っていた。

 今季のソフトバンクは日本人扱いの新助っ人ウラディミール・バレンティン外野手ら外国人が9人、チームに在籍する。外国人枠を争う面々でもモイネロやバンデンハーク、新助っ人のムーア、残留が見込まれているデスパイネやグラシアルがおり、競争は熾烈となるところだった中での亡命の報道となった。

 仮に米国に亡命すると、まずは米国での居住権を得なければならない。数か月を要するというこの手続きを終えて居住権を得て、ようやくMLB球団と契約できるようになる。

 だが、コラスは現在、ソフトバンクの契約保留者名簿に記載されている。原則的には他球団と契約することは認められない。野球協約の第68条には以下のような条文がある。

「全保留選手は、外国のいかなるプロフェッショナル野球組織の球団をも含め、他の球団と選手契約に関する交渉を行い、又は他の球団のために試合あるいは合同練習等、全ての野球活動をすることは禁止される。なお、保留球団の同意のある場合、その選手の費用負担によりその球団の合同練習に参加することができる」

 このように定められており、基本的にはコラスがMLB球団と契約することは許されない。契約の保留の効力は2021年1月9日までで、それが継続された場合は資格停止処分となる。

 コラスとの契約を結ぶ権利はソフトバンクが保有している。仮に米国居住権を得ても、MLB球団と契約を結ぶにはソフトバンクが契約を解除し自由契約とするか、契約保留期間が終了するのを待たなければならないはずだ。

 果たして、今後、このコラスの亡命、そしてMLB挑戦はどう進んでいくのか。そして、ソフトバンクはどう動くのだろうか。

(Full-Count編集部)

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