猛牛魂を継承する“近鉄最後の野手” 燕坂口が抱く思い「1年でも長く…」
近鉄では2年間プレーし通算8試合、打率.111、0打点「本当に感謝しかない」
“近鉄最後の野手”として現役を続けるヤクルトの坂口智隆外野手。同僚の近藤一樹投手、そして巨人・岩隈久志投手の3選手が「最後の近鉄戦士」たちだ。
昭和、平成、令和と時代は進み今も尚、根強いファンが多い近鉄バファローズ。2004年の球団再編問題でオリックスと合併し消滅し今年が16年目となる。いてまえ打線、猛牛軍団とも呼ばれた個性豊かな選手たちが躍動し2001年にリーグ優勝を果たした翌年のドラフトで1位指名を受けたのが坂口だった。
「僕は2年間しかプレーしてないので近鉄ファンの方に大きなことは言える立場じゃないですけど。近鉄が指名してくれたから今の坂口智隆がある。近鉄がなかったらプロ野球選手になれてなかったので、本当に感謝しかないです」
ルーキーイヤーの2003年に1軍デビューを果たし、1試合に出場し5打数1安打をマーク。そして最後の年となった2004年は7試合に出場し4打数無安打1得点。近鉄での通算成績は8試合、打率.111、0打点。鮮烈な印象を残すことはできなかったが原点となった2年間は今でも心の支えになっている。
「熱い声援をたくさんもらいました。今でも当時のファンの方に声をかけられることもある。2年なので近鉄ファンの人たちの思いを背負っていいのかなと思う時もあるんですが、自分としては1年でも長くプレーしたい。それが一番の恩返しだと思っている」
今年でプロ18年目、年齢も36歳を迎えるシーズンとなりベテランの域に差し掛かった。それでも「体は元気ですし、衰えは感じませんね。冗談抜きでプロ入りして一番、状態がいいんですよ」と、まだまだ若手に居場所を譲るつもりはない。近藤、岩隈の2人は投手、そして坂口は近鉄最後の野手として厳しいプロ野球の世界でもがき続ける。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)