開幕延期でバイト生活… マイナー選手が悲痛な叫び「仕事がないだけじゃなく…」

新型コロナウイルスの感染拡大によりMLBも開幕延期、キャンプ中断、オープン戦中止となっている【写真:Getty Images】
新型コロナウイルスの感染拡大によりMLBも開幕延期、キャンプ中断、オープン戦中止となっている【写真:Getty Images】

米「ヤフースポーツ」がドアダッシュでアルバイトするマイナー選手の生活をレポート

 全世界に広がる新型コロナウイルスの感染拡大。この影響でメジャーリーグの開幕も延期となり、オープン戦は中止、スプリングトレーニングも中断となった。MLB各球団の選手たちはキャンプ地に留まるか、本拠地に戻るかして、新たに決まる開幕まで備えることになった。

 難しい調整を強いられることになったメジャーリーガーたちだが、それ以上に苦しい思いを強いられているのが傘下のマイナーリーガーたち。メジャーリーガーたちよりも遥かに薄給である彼らは、しかも、シーズン中出なければ、給料を手にすることはできない。開幕が延期となり、スプリングトレーニングが中断となったことで生活することにさえも苦労しているのだ。

 この状況下で、マイナーリーガーの中では、食いつなぐためにアルバイトを始めた選手もいる。アスレチックス傘下に在籍するピーター・バイヤー投手がその1人。彼はドアダッシュ(フードデリバリーサービス)で働き、3時間で62ドル(約6600円)を稼いでいるという。

 米「ヤフースポーツ」では、このバイヤーの現在の生活をレポート。シーズンの開幕が延期となり、苦しい状況に立たされているマイナーリーガーの現状とバイヤーの悲痛な叫びを伝えている。

 現在、アリゾナのホストファミリー宅で生活しているというバイヤー。新型コロナウイルスの影響でスプリングトレーニングが中断となり球団施設も閉鎖された。そのためバイヤーはアリゾナのジムでトレーニングを行なっていたが、そのジムも閉鎖されたという。それまでは午前中にトレーニングを行い、夜にはドアダッシュで配達のアルバイトに汗を流していた。

「マイナーリーガー、アスリートとして、かなり影響を受けている。仕事がないだけじゃなく、トレーニングする場所もないんだ。できることをしなければならない。皆そうだ。文句を言うのではなく、準備するために何ができるかを考えなければならない。ただのスポーツ、ただの試合だけど、僕たちの仕事でもあるんだ」

 こう現状を語っているバイヤーは昨季、野球で月1300ドルの収入を得ていた。ただ、それはシーズン中の5か月間しか支払われない。シーズン中は2ベッドルームのアパートにチームメート3人と住んでおり「それが普通だよ」という。そして、昨年8月から野球での給与は得ていないという。

 レイズが傘下のマイナー選手たちに1人800ドルずつ支援金を支払うことが発表された。これについてもバイヤーは「僕たちは8月を最後に給与を得ていないんだ。だから、800ドルは大きいよ。今、800ドルを受け取ることができたら素晴らしいだろう。それほど大きな金額じゃなくてもだよ」と語り、現在の苦境を表していた。

(Full-Count編集部)

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