楽天・岸が見せた貫禄の投球 FA加入で首位ターンの原動力に

楽天・岸孝之【写真:荒川祐史】
楽天・岸孝之【写真:荒川祐史】

6回零封&アウトの半分が三振、首位攻防の勝負所で7勝目

 実績と経験が詰まった貫禄の投球だった。楽天の岸孝之投手。前半戦最後の試合となった12日のソフトバンク戦(ヤフオクD)。6回を投げ、強力ソフトバンク打線を2安打無失点に封じる好投で7勝目を掴んだ。チームにも首位攻防戦での連勝をもたらし、「結果的に先に点をやらないで、ゼロで終われたし、味方が点を取ってくれてからのピンチも粘れて抑えられた。これ以上何も言うことはないかなと思います。もうちょっと長い回は投げたかったですけど」と胸を張った。

 7月2日のソフトバンク戦(Koboパーク)から中9日での登板となった、この日のマウンド。梨田昌孝監督は試合後に「ずっと中6日で日曜のデーゲームに投げていて体力の消耗もあった。ホークスに当てるというよりも、ちょっと間隔を空けたほうがいいなと」と明かし、直接対決を狙っての登板というよりも、右腕のコンディション面を考慮しての中9日だったと説明。ただ、これが見事に奏功したといえる。

「コントロールが良かったと思うので、そこですかね、今日は。2回くらいからちゃんと狙った通りに行くようになった」

 立ち上がり、2死から柳田に四球を与えたものの、無失点で終えると、3回1死から4回まで驚異の5者連続三振。ペゲーロの2ランで先制した直後の5回2死までソフトバンク打線を無安打に封じ、そこから松田、上林に連打を浴びて2死一、三塁とされたが、代打・長谷川をインコースの真っすぐで空振り三振に。この日唯一だったピンチを脱し「ちゃんと(嶋の要求に)応えられて、いいところに投げられたのは良かった」と振り返った。

 中盤には、右手の親指にマメが出来て出血。6回にはユニホームに血の跡がついていた。7回も続投を志願し、一度はマウンドに上がったものの、投球練習中に指揮官はじめ首脳陣からストップがかかった。6回2安打無失点。アウトの半分を三振で奪う9奪三振で、ソフトバンク打線を抑え込んだ。

 間隔を空け、しかも首位を争うソフトバンクとの首位攻防戦となっただけに「結構、慎重にいってというのもありましたし、球数が増えて若干疲れましたけど、いけるところまで初回から飛ばしていけた」という岸。最高の形での前半戦首位ターンは、今季西武からFAで加わった右腕によってもたらされた。

【動画】ソフトバンク戦で岸が見せた伸びのあるストレート&芸術的チェンジアップ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY