黒田博樹の穴は埋まるのか ヤンキースに重くのしかかる「199回」の補填

間もなくバッテリー陣のキャンプ開始、ヤンキースが抱える最大の不安要素とは

 大リーグのスプリング・トレーニング開始を約1週間後に控え、各球団とも戦力構成が固まってきた。そんな中、田中将大投手のいるヤンキースは、不安を抱えたまま21日にバッテリー陣がキャンプをスタートさせる。

 大物フリーエージェント(FA)選手に目を向けず、中継ぎ中心に堅実な補強を行ったヤンキース。ジラルディ監督が昨季終了後に「若く、アスレチックなチームになるだろう」と語った通り、投打ともに若い戦力が加わった。

 ジーターの後釜にはダイヤモンドバックスからトレードで24歳のディディ・グレゴリアス内野手を獲得。遊撃守備には定評があり、マイナー時代は巧打が売りだった。メジャーでは昨季80試合に出て打率2割2分6厘、6本塁打と苦しんでいるが、数字だけ見た場合、昨季のOPSが.617だったジーターの穴を埋めるのはさほど難しいことでははないだろう。むしろ、守備では大きなアップグレードとなる。また、外野の3ポジションを守れるクリス・ヤング外野手と再契約し、一塁と外野を任せられるギャレット・ジョーンズ内野手を獲得したことでベンチは厚みを増した。

 ブルペンも抑えのデービッド・ロバートソンが抜けたのは痛手だが、昨季ブレークしたデリン・ベタンセスに加え、左のアンドリュー・ミラー、ジャスティン・ウィルソン、右のデービッド・カーペンターと質の高いリリーバーが加入。マイナーにも好投手が控えており、リーグ屈指とも言える陣容が整った。

 一番の不安要素は黒田博樹、ブランドン・マッカーシー、ショーン・グリーンの抜けた先発陣だ。

 現時点での先発候補はC.C.サバシア、田中、マイケル・ピネダ、ネーサン・エオバルディ、クリス・カプアーノの5人。いずれも年間通しての活躍に疑問符が付く。中でも昨季唯一、先発ローテーションを守って32試合に先発し、199回を投げた黒田の穴埋めは簡単にはいきそうにない。スポット的に先発し、故障者の穴を埋めていたデービッド・フェルプスもイチロー外野手が加入したマーリンズに移籍。年間通した働きが計算できる投手がそろって退団したことで、失ったイニング数を補填できるかが大きなテーマとなる。

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