3連覇狙う西武、本拠地連戦の“副作用” 辻監督「ズルッといかなければいいけど…」

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】
西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

開幕から3カード、計15試合を本拠地メットライフドームで迎える変則日程

 パ・リーグ3連覇を狙う西武の辻発彦監督は公式戦開幕前日の18日、「間違いなくチーム力はアップしている」と会見で自信を示したものの、一方で開幕遅れによる外部的な要因には不安も吐露した。

 チームの移動を減らし新型コロナウイルス感染のリスクを下げるため、プロ野球の今季前半の日程は超変則だ。西武の場合、19日から開幕カードの日本ハムとの3連戦を本拠地メットライフドームで行った後、22日に休養を挟み、翌23日から腰を据えてソフトバンクとの本拠地6連戦を行う。翌週も同じくメットライフドームでオリックスと6連戦。本拠地というアドバンテージはあるにせよ、それがずっと続くことにはある種の“副作用”も伴う。

 辻監督は「野手は今まで、3連戦ごとに相手が変わり球場が変わり、目先が変わることによって、調子が悪くてヒットが出ていなくても気持ちが変わっていい方向に行ったという経験があると思う」と指摘。「今年は同じチーム、同じスタジアムということで、気持ちがズルッといかなければいいけど……。そこがちょっと気にはなる」と語り「6試合同じチームとやって、全然打てなかったら痛いからね!」とのボヤキも漏らした。

 特に最初に6連戦を戦うソフトバンクは、一昨年、昨年と2年連続でリーグ優勝を果たしながらクライマックスシリーズ・ファイナルステージで煮え湯を飲まされてきた“宿敵”。昨年のレギュラーシーズンでも12勝13敗と負け越している。もし西武の誇る山賊打線がソフトバンク投手陣に出端をくじかれ調子を落とすようなことがあれば……想像するだけでぞっとするのも無理からぬ話。今季は例年より少ない120試合制で、出足のつまずきが最終成績に深刻な影響を及ぼす可能性も高い。「うちは気持ちの切り替えが早い選手が多いから期待したい」とも語ったが、やはり不安は拭い去れない。

 さらに当初の予定より約3か月遅れの開幕とあって、「6月下旬の開幕ということで、いきなり暑い中で始まり、さらに暑い夏が来る。選手たちには『体調管理をして、離脱しないようにしてほしい』と伝えました」と明かした。

 過酷な日程で、特に心配されるのがベテラン陣。指揮官は「栗山、中村はある程度休ませながらやっていきたい。それにキャッチャーも1人で6連戦は厳しい」と見る。ともに野手最年長で今年37歳になる栗山と中村、守備の負担の大きい正捕手の森に関しては、スタメンから外したりDHで起用したりと、休養を与えながら起用していくことを示唆する。

 メヒアが右膝痛で開幕の出場選手登録から外れたが、「状態は意外に悪くない。今月中に実戦に出られると思う」と辻監督。まずはベストメンバーで過酷なシーズンに突入する。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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