「野球ファンの夢」を体現する男 日ハム大谷、代名詞「二刀流」完全復活へ

日本ハム・大谷翔平【写真:田口有史】
日本ハム・大谷翔平【写真:田口有史】

昨年のリーグMVPが31日に先発で投手復帰

 8月30日午後、NPB公式サイトから31日の予告先発が発表された。否応なしに目を引いたのは、札幌ドームで行われる北海道日本ハムと福岡ソフトバンクの一戦。福岡ソフトバンクの先発は石川で、迎え撃つ北海道日本ハムの先発は大谷である。

 昨季、北海道日本ハムは福岡ソフトバンクとの最大11.5ゲーム差をひっくり返し、劇的にパ・リーグを制した。そしてそのままの勢いでセ・リーグ覇者の広島をも下し、日本一の頂に駆け上がる。元盗塁王を3人擁する機動力、華やか且つ鉄壁の守り、栗山監督の冴え渡る名采配など、多くの魅力を備えたそんなチームの中で、いつも投打の中心にいたのは間違いなくこの男だった。

 プロ野球史上初の「1番・投手」による先頭打者本塁打。高卒2年目から3年連続2桁勝利。投げては日本人最速の165キロを叩き出し、打っては22本塁打をかっ飛ばす。パ・リーグを制したその日も、最後までマウンドに立っていた。日本シリーズでは芸術的なまでの悪球打ちを披露し、最終的に指名打者・投手部門でともにベストナイン、リーグMVPにも輝いた。

「二刀流」の実現を疑う声、「投手」としての欠点を指摘する声、「打者」としての才能こそを評価し「一刀」を極めることを勧める声。その全てを、「大谷翔平」という選手が秘める可能性への称賛に変えながら、チームを頂点に導いたドラマチックな姿は、まだ多くの人々の記憶に新しいだろう。

栗山監督は「60球いけるかどうか」

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