トラウト、今季出場辞退の可能性を示唆「家族の健康が一番。考えなければ」

トラウトのジェシカ夫人が今年8月に第1子を出産予定「家族を危険にさらすわけにはいかない」

　エンゼルスのマイク・トラウト外野手が3日（日本時間4日）、オンライン会見に臨み、今季を出場辞退する可能性を示唆した。新型コロナウイルスの感染拡大で予断を許さない状況となっている。現状ではプレーする意向だが、チーム内で感染が広がった場合は「考えなければいけない」と悩める胸中を打ち明けた。

　7月下旬の開幕まで3週間。チームはこの日からキャンプを再開したが、現役最強選手の心は晴れないようだ。「正直言うと、心地良さはまだ感じていないよ。検査で陽性になりたくないし、（陽性になった場合）妻にも移したくない。この件については、これまでにもたくさん考えてきた。そして、今でも頭の中にある。今は厳しい時間。みんなにとっても厳しい状況なんだ」。

　トラウトのジェシカ夫人は今年8月に第1子を出産する予定だ。「家族（ジェシカ夫人と生まれてくる子供）を危険にさらすわけにはいかない。寄り添うこと、そしてずっと健康でいられることが、僕が一番に優先することだから」と家族への思いを明かした。

「球場でみんなのためにプレーするために、僕たち（選手）は家族にもリスクを背負わせてしまっている。僕はプレーしたい。状況は難しい。その状況に合わせてやっていかなきゃいけない。明日やそれ以降に状況がどうなるかなんて誰にもわからない。（感染者が）急激に増加するかもしれない。答えがわからない問題がたくさんあるんだ」

「子供が生まれるから、たくさんのことが頭をよぎっている。ビリー（エプラーGM）にも伝えているけど、これは難しい状況だし、次の数週間は本当に注意が必要なんだ。このクラブハウスの全員が責任をもっていかないといけない」

「球界もファンも、野球が戻ってくることを求めているのは明らか。確実に言えることは、僕たちはプレーしたいということ。だけど可能な限り安全な状態にしないといけない。検査などについては、僕たちはうまくできていると思う」

　他球団ではナショナルズ主力のジマーマン、ダイヤモンドバックスの右腕リークらが出場辞退を表明している。マドン監督は「彼と私は既にしっかりと話をしている。昨日も色々と話ができた。第1子が生まれることで、初めて父親になるということはとても大事なこと。この状況下でそうなると、赤ん坊や奥さんのことで気がかりなこともある。彼は健康状態を保つ必要がある。彼らの側にいることになるのだから。考えることはたくさんある」と思いやった。

（盆子原浩二 / Koji Bonkobara）