緒方監督も驚く、メジャー経た黒田の投球 本人と周囲が手応え示す球種とは

フリー打撃初登板で威力を発揮したカットボール「バッターとしては打ちにくい」

 40歳の右腕の“新たな武器”となるだろうか。メジャーリーグから8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手が25日、フリー打撃に初登板した。ルーキーの野間峻祥(たかよし)外野手、3年目の鈴木誠也外野手と期待の若手2人を相手に35球を投げ、安打性の当たりは2本。上々の内容となった投球の中で首脳陣やチームメートをうならせたのは、近年はメジャーで投げることの少なかったカットボールだ。

 黒田は今キャンプで初めて打者と対峙し、直球、ツーシーム、カットボール、スライダー、カーブと、スプリット以外の球種を確認した。そして、左打者の野間に対して多投したのが、内角へと切れ込むカットボール。手元で動かし、ボテボテの内野ゴロに仕留める場面が目立った。

「左バッターの手元に意識して投げましたけど、バッターの頭に残るボールだと思います」

 本人はこの球種に確かな手応えを示している。

 切れ味のあるボールに、周囲からも絶賛の声が上がった。畝投手コーチは「左(打者)に対してのカットボールはけっこう有効だね。いいボールを投げていた」と評価。さらに「高めの意識でつまらせていたけど、(捕手の)會澤が『低めでもキレがいい』と言っていた」と、捕手を務めた會澤翼との会話を明らかにした。

 打者目線ではどうだったのか。野間は「ツーシームとカットボールは手元で曲がってくるので、捉えきれなかった。大振りになると捉えられない。コンパクトに振らないと。(カットボールは)しっかりコントロールされてますし、その中で手元で曲がってくるので、バッターとしては打ちにくいと思います」と振り返っている。

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