メジャーで粋な演出、控え選手が1試合全ポジション制覇、史上5人目の偉業

1試合で全ポジションを守る史上5人目の偉業を果たしたタイガースのロマイン【写真:Getty Images】
1試合で全ポジションを守る史上5人目の偉業を果たしたタイガースのロマイン【写真:Getty Images】

タイガースのロマインが9ポジション制覇、試合は3-2で接戦制す

 シーズン最終戦を翌日に控えた9月30日(日本時間10月1日)、メジャーで粋な記録が生まれた。タイガースの“ユーティリティ選手”アンドリュー・ロマインが敵地ツインズ戦で、1試合で全ポジションを守る史上5人目の偉業を果たした。球団公式サイトが伝えている。

 メジャー8年目のロマインは登録は遊撃手だが、1つのポジションならず、2つ、3つ…いや、どこでも守れる“スーパーユーティリティ”と呼ばれる控え選手だ。ロマインのおかげで、戦術で手詰まりになりそうになったオースマス監督が助けられた場面は多々あったはず。そんな縁の下の力持ちの働きに、指揮官が粋な計らいで報いた。

 記事によれば、「どこでも守れるユニークな選手。しかも、どの守備に就かせても心配ない」とその能力を高く買う指揮官は、シーズン最終戦にあたる10月1日(同2日)に「1試合全ポジション計画」を実行することにしたという。だが、最終戦は雨予報のため、30日に前倒し。敵地ターゲットフィールドには、ロマインの両親や妻子ら家族が集まった。

 初回、左翼の守備に就くと、まずは先頭グラナイトの左翼フライを捕球し、この日最初のアウトを記録した。その後はオースマス監督が何度もシミュレーションしたという交代計画に従って、守備位置を移動した。

1回:左翼→2回:中堅→3回:右翼→4回:三塁→5回:遊撃→6回:二塁→7回:捕手から二塁→8回:投手から一塁→9回:一塁

 中堅と二塁では打球が飛んでこなかったが、遊撃に就いた5回には二塁カンデラリオと併殺プレーを完成。2点リードの7回には、実弟でヤンキース捕手のオースティン・ロマインからもらった“お下がり”ミットを持って捕手を務め、1点差まで追い上げられたところで二塁へ移動。それでも勝ち越しは許さなかった。

オースマス監督は2000年の偉業達成時に試合出場

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