久々の超大物二刀流選手の登場か レンジャーズがクォーターバックをドラフト指名!

高校時代から野球をバスケを兼業するラッセル

 フロリダ州レークブエナビスタで行われているウィンターミーティングの目玉の一つとなっているルールファイブドラフトで、テキサス・レンジャーズがアメリカンフットボール(NFL)のクォーターバック(QB)をサプライズ指名し、話題となっている。ダルビッシュ有投手とチームメートになる可能性があるのはシアトル・シーホークスのQBラッセル・ウィルソン(25)だ。

 ウィルソンは2012年のNFLドラフト会議で3巡目の12位(全体では75位)でシーホークスに選出された。シーホークスは今季11勝2敗でNFC西地区首位を独走中。ウィルソンはその司令塔として昨年最優秀ルーキー賞を獲得した。今季もパス2871ヤードを成功し、23タッチダウンを記録。レーティングは106.5と絶好調でスーパーボウル制覇を視野に入れている逸材中の逸材だ。

 QBながら圧倒的なスピードを誇るラッセルは、高校時代から野球とバスケットボールも兼業。高校卒業時の07年には二塁手としてボルティモア・オリオールズからドラフト5巡目で選出された。10年のドラフトでもコロラド・ロッキーズから4巡目に指名されており、今回の指名でコロラドから保有権を譲り受ける形となった。

 スーパーボウル優勝を狙えるスターQBがメジャーの扉を改めて叩くというシナリオは実現困難に思えるが、ESPNによると、レンジャーズのジョン・ダニエルズGMはウィルソンに「本職を妨げるようなことはしない」と説明。ウィルソン自身は春のキャンプに参加したい意向を示しているという。

 「スカウト陣とも話したが、彼の勝つために練習に真摯に取り組む姿勢をチームの手本にしたい。彼の並外れた集中力と精神力もそうだ」とダニエルズGMは絶賛。アシスタントGMのA・J・プレラー氏は「ウィルソンは守備が手堅く、スピードもある。様々なポジションをこなせるはず。もしも、彼が野球に専念したいと思わなくても、彼のような存在と関係を保っておくことは我々の組織にとってすごくポジティブなことなんだ」と語った。

 かつてMLBにはNFLで活躍したスーパースターがいた。カンザスシティ・ロイヤルズで外野手を務め、NFLのオークランド・レイダースでランニングバックを務めたボー・ジャクソンは両方でオールスターに選出された唯一の名手だった。ニューヨーク・ヤンキースなどで外野手を務め、NFLダラス・カウボーイズではコーナーバックとしてスーパーボウルを制覇したディオン・サンダースは、ワールドシリーズとスーパーボウルに出場した唯一の選手だ。2人とも当時カリスマ的人気を誇った超人的アスリートだったが、果たしてウィルソンは二刀流の系譜を継ぐのか、注目が集まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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