今季7度抹消の経験を糧に…楽天辛島、調整の難しさを物ともしない好投勝利

楽天・辛島航【写真:荒川祐史】
楽天・辛島航【写真:荒川祐史】

梨田監督も好投を称賛「すごく腕が振れていた」

 楽天が2連勝で白星を先行させた。19日、敵地ヤフオクドームでのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第2戦。ソフトバンク打線を翻弄し、好投したのは、辛島航投手だった。

「ボール自体はよかったです。高さとかは少しありましたけど、ボールはよかった」

 初回、相手のミスもあっていきなり先制点をもらうと、川島、今宮を連続三振、中村晃を中飛と、3者凡退の立ち上がり。両サイドと、緩いカーブ、チェンジアップを巧みに使い、ソフトバンク打線を打ち取っていった。

 3回1死一、二塁では中前へと抜けようかという当たりを、遊撃・茂木がダイビングキャッチ。抜ければ、同点かという打球だったが、好守に救われると、続く中村晃を外角いっぱいに決まるストレートで見逃し三振に仕留め、窮地を脱した。4回先頭の内川にソロを浴びたものの、失点はこれだけ。6回1死二塁でリリーフ陣に後を託したが、4安打1失点は十分な内容だった。

 1軍での登板は10月1日のロッテ戦(Koboパーク)以来。この日の登板までは、ファーストステージを戦うチームを離れ、みやざきフェニックスリーグで調整してきた。調整の難しさを問われた左腕は、「いや、もう慣れてますよ。1年間、きっちり(先発ローテを)回ったりもしてなかったし、それが生きたんじゃないですか」。今季は自己最多タイの8勝をマークする一方で、7度、出場選手登録を抹消されていた。

 第2戦のマウンドに送った梨田昌孝監督は「すごく腕が振れていた。チェンジアップ、外のストレートも133、4キロだったけど、タイミングをズラしていた。チェンジアップもカーブも有効的だった」と左腕の好投の要因を分析した。

 ファーストステージを戦い、先発が少なからず弱くなるファイナルの初戦、2戦目を塩見、辛島の両左腕で連勝した意義は大きい。20日の3戦目からはエース則本、岸、美馬と控えている。下克上を狙う楽天。2戦目までは、理想以上の戦いぶりだと言えるだろう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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