DeNAドラ2の弟・侍U-15代表の神里、“王者”撃破に導く先制打「対応できた」

ジャパンU-15代表・神里陸【写真:Getty Images】
ジャパンU-15代表・神里陸【写真:Getty Images】

3連覇中のチャイニーズ・タイペイ撃破、伊藤監督も「先制点が大きかった」

 静岡県伊豆市・志太スタジアムで行われている「第9回 BFA U-15アジア選手権」は3日、大会3日目を迎え、侍ジャパンU-15代表は大会3連覇中のチャイニーズ・タイペイに3-0で勝利した。先制点をたたき出したのは、野球一家で育った神里陸(沖縄・南星中)だった。

「三振はしないように、転がすことを意識した。バットはいつもより指2つ分くらい開けて、短く持ちました」

 2回。3つの四球で走者をため、2死満塁で打順が巡ってきた。ベンチから「待て」のサインが出ており、3ボールが続いた後の2ストライクは「タイミングを合わせていた」と神里。2死満塁でカウントは3-2、走者は自動スタート。「少し詰まったが、対応することができた」と、神里の打球は二塁ベース左に転がった。

 遊撃手が追いついたが、バウンドのタイミングが合わず、打球は中前へ。三塁走者・平尾柊翔(埼玉・大石南中)に続いて二塁走者・加藤陸久(神奈川・文命中)もホームにかえり、2点を先制した。「先制点を取れたのがすごく大きかった」と伊藤将啓監督。神里は「1、2戦目で活躍していなかった。大事な台湾戦で活躍できてよかった」と話した。

 ショートでスタメン出場し、守りでも魅せた。3回2死から、高く弾んでセンターに抜けそうな打球に左腕を目一杯に伸ばして捕球。内野安打にはなったが、チャイニーズ・タイペイはこの日、1本も外野にヒットを打っていないため、食い止めた形になった。4回も人工芝で高く弾む打球にうまくグラブを合わせて捕り、3つのアウトを全て奪った。

 セカンドを守っていた7回には、前に攻めてバウンドを合わせさばいた。「神里は前の動きが弱かったので、とにかく、前の意識を持たせ、ポジショニングも少し前に変えた。人工芝に対応できるようにと、その確認は毎日、口すっぱく言っていた。ただ、彼が頑張ったから。彼の能力のおかげです」と伊藤監督。普段からの意識付けや人工芝に慣れてきたこともあるが、大会前から父・昌二さんにノックを打ってもらい、準備をしてきた。大一番で好守を連発し、「1歩目と打球の判断を意識した。今日はいつもよりしっかり動けたかなと思うのでよかったです」とはにかんだ。

父はエースで甲子園出場、兄は10月に侍社会人代表→DeNAドラ2の野球一家

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