「優勝に必要なピース」…古巣・楽天が7年ぶり獲得に動いた渡辺直人の魅力
2010年オフに横浜へ涙の電撃トレード、鉄平らチームメイトも涙
7年ぶりに楽天に復帰した渡辺直人内野手が30日、Koboパーク宮城で入団会見を行った。
報道陣から「おかえりなさい」と声をかけられた渡辺は「ただいま、です」とはにかんだ。金銭トレードで横浜への移籍が決まった際、ファンへのメッセージを問われ、涙した。あれから7年。再び、楽天のユニホームに袖を通し、「すごく楽しみにしていた。ファンの皆さんの前で野球ができる喜びをプレーに表したい。野球を見ていて楽しいなと思ってもらえるプレーをお見せしたい」と意気込んだ。
2006年の大学・社会人ドラフトで楽天から5位指名を受けて入団。ショートのレギュラーとして活躍した。10年のシーズンオフ、横浜への電撃トレードが発表されると鉄平、草野大輔、嶋基宏は、自らの契約更改の記者会見で涙。それほど、チームメイトから慕われ、楽天にはなくてはならない存在だった。
横浜へ移籍したが、13年のシーズン途中に交換トレードで西武へ。ライオンズのユニホームを身にまとっていても温かい声援を受けるほど、ファンからも愛された。安部井寛チーム統括本部長は「いろんな内野のポジションを守れるところやチームに貢献できるチャンスに強いバッティングをもちろん評価していますが、それ以上に彼の持っている性格や人間性が、我々が来年、優勝を目指していく上で必要なピースだと判断して獲得に至りました」と説明。野球の技量だけで評価されたわけではない。
10月で37歳になった。一時は引退も考えたという。西武から戦力外通告を受けた時を「自分の中で野球をやりたいという気持ちもありながら、この辺が潮時なのかなと思った」と振り返る。これからどうしようかーー。不安な気持ちも押し寄せていた時、古巣からの連絡があった。
「イーグルスさんから連絡をいただいた時は本当に心の底から嬉しかった。また東北で、イーグルスのユニホームを着てプレーできる。ゾクゾクするような気持ちで、本当に嬉しくて、言葉にならなかったです」