楽天生え抜き初の500試合登板 「イーグルスが好き」ベテラン右腕の存在感
中継ぎのスペシャリスト青山、鉄壁リリーフ陣の礎築く
今季の中盤まで首位を走り、終盤には大型連敗を経験、クライマックスシリーズではファイナルステージに進出してリーグ覇者と渡り合うなど、まるでジェットコースターのような激動のシーズンを終えた楽天。ただ、今後のチームに大いなる希望を抱くことのできる1年だったことは間違いないだろう。
その躍進の理由の1つとしては、4年連続の65試合以上登板を達成した福山投手を筆頭として、ルーキー左腕の高梨投手、絶対的守護神の松井裕投手など、球界屈指のブルペン陣が揃っていたことが挙げられる。しかし、今季の登板数はわずか17試合に終わってしまったものの、この充実の陣容が敷かれるまでの苦しい時期を、球団草創期から支えた右腕の存在を忘れてはならない。生え抜きの34歳、青山浩二投手のことだ。
北海道出身の青山は、2005年の大学・社会人ドラフト会議で、楽天から3巡目指名を受けて入団。ルーキーイヤーは中継ぎを任されて、42試合1勝3敗という成績を残した。2年目の2007年は先発ローテーションに入るが大きく負け越し、中継ぎに再転向している。
2010年と2011年は中継ぎ投手として結果を出した。どちらの年も開幕は先発で迎えたが、2010年は41試合に登板、チーム最多タイの15ホールド、防御率1.72をマーク。2011年も51試合に登板して、チーム最多タイの23ホールドを挙げた。
青山は抑えとしてもキャリアを積んでいる。初セーブを挙げたのは2008年だが、特に2012年は記録づくめの年だった。開幕から守護神を務めていたラズナー投手が怪我で離脱し、その穴を青山投手が埋めることになる。すると、5月9日から16日まで、史上4人目、プロ野球記録タイの6試合連続セーブを記録し、救援投手としては球団で初めて月間MVPも受賞した。
さらに、このシーズンで挙げた22セーブは、2006年の福盛投手を超える当時の球団記録となった。楽天が球団創設初のリーグ優勝、日本一を達成した2013年も、2年連続60試合登板、17ホールド、11セーブとチームに貢献。2008年からは6年連続でセーブを挙げている。