「自分も“栗原状態”だった」日本一経験者が語る“シリーズ男”誕生の瞬間とは?
1993年、ヤクルトで日本シリーズ打率4割&好守連発の元鷹コーチ・飯田哲也氏が経験談を語る
ソフトバンクの栗原陵矢捕手が「SMBC日本シリーズ2020」で8打数7安打、打率.875と大活躍。巨人との頂上決戦2連勝に貢献している。ヤクルトで日本一を経験し、昨季までホークスのコーチだった飯田哲也氏は「栗原は今年のシリーズ男になれる」と残り試合も好調を維持できると断言。自身が経験した“勢い”に通じるものがあるという。
ロッテとのクライマックスシリーズでは無安打に終わっていた男が、第1戦の第1打席で先制2ランを放つなど、3打数3安打4打点の活躍。この日も5打数4安打。2017、18年には2軍で打撃コーチとして栗原を指導してきた飯田氏は、栗原の豹変ぶりの理由を明かした。
「栗原はCSの時も初めてで緊張していただろうが、打てなくて空回りしていた。その気持ちは日本シリーズでも変わらなかったと思うが、プレッシャーがある中、初戦の1打席目で本塁打を打ったことで吹っ切れたように見えるし、リラックスして打席に立てている。あの本塁打があったから、2戦目も結果が出た」
プロ6年目の栗原は、今季初めて開幕スタメンに選ばれると、そのままレギュラーの座を獲得。打率.243、17本塁打、73打点の結果を残した。だが、シーズン終盤の11月はなかなかヒットが出ず、クライマックスシリーズでも2試合とも無安打。しかし、短期決戦となる日本シリーズでは、シーズンの成績と関係なく「シリーズ男」が生まれることも多い。飯田氏も西武を破って日本一に輝いたヤクルト時代の1993年には、日本シリーズで栗原と同じような状態だったという。