続くイチローとの“師弟愛” トレード移籍オズナが「バット拝借試合」を回顧

イチローのバットで本塁打を放ったマルセル・オズナ【写真:Getty Images】
イチローのバットで本塁打を放ったマルセル・オズナ【写真:Getty Images】

5月にイチローバットで3安打の猛打賞記録

 マーリンズからカージナルスにトレード移籍したマルセル・オズナ外野手は、今季までチームメイトだったイチロー外野手と“師弟関係”を結んでいた。今年5月30日の本拠地フィリーズ戦では、イチローのバットを借りて13号ソロを含む5打数3安打1打点と大暴れ。3年間ともに過ごした背番号51と来季からは離れ離れになるスラッガーが、イチローのバットで打席に立った思い出の日を振り返っている。カージナルスの地元紙「セントルイス・ポストディスパッチ」電子版が報じている。

 オズナは今季打率312、本塁打37本、124打点と大活躍で、メジャー5年目にしてキャリアハイを記録した。今オフから新オーナーを迎えたマーリンズは大幅な財政整理に乗り出し、球団史上4度目のファイヤーセールを敢行。オズナは若手有望株と引き換えにカージナルスにトレードされた。

 そんなオズナにとって、今年のハイライトの1つがあのフィリーズ戦だった。2回の第1打席で左翼へソロ本塁打を放つとエンジン全開。第2打席には左翼、第3打席には中堅へヒットを運び、3打席連続安打で7-2勝利に貢献していた。

 普段はサムバット社の「MO23」と記された特注バットを愛用しているオズナだが、この日は自身のモデルよりも軽くて短いイチローの専用バットを借りていた。なぜ同僚のバットを選んだのか。故郷ドミニカ共和国からの電話会見で、スラッガーはこう振り返ったという。

「あれはラッキーな日だった。興奮状態で目が覚めて、その勢いのまま球場に出掛けることがあるんだ。その調子で『ヘイ、バット借りていい?』って聞いたら、少し考えた後で『いいよ』って言ってくれたんだ。『ありがとう』なんて打席に立つと、絶好のホームラン球が来たんだよ」

 オズナは7月2日の敵地ブルワーズ戦で相手チームからバットに付けた松ヤニの多さを指摘されると、バットケースで一番近かった元同僚ジャンカルロ・スタントン外野手のバットを拝借。その試合でホームラン2本もかっ飛ばしたこともあった。

 自身のバットには「バランスの良さ」と求めるというオズナ。時に、いつもと違うバランスのバットを使うことで、次第にずれた打撃の感覚を取り戻せるのかもしれない。新天地セントルイスでも、仲間のバットでホームラン、というオズナのジンクスは続くのだろうか。

(Full-Count編集部)

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