メジャーに復帰した松坂大輔と日本球界の思惑とは?
日本球界からも熱視線を浴びる松坂
その松坂は来季もメジャーでのプレーを強く望む一方で、実は日本球界からも熱視線を浴びている。昨年のオフもレッドソックスとの契約が切れた松坂に対して、複数の日本球団が獲得調査に乗り出した。とりわけ熱気を帯びていたのは、横浜DeNAベイスターズだった。球界関係者は語る。
「松坂に対して、年俸7億円ほどの提示額を考えていたそうです。松坂を獲得できれば、人気選手なので、観客動員やグッズ収入などで元はとれる公算が高いと見ていました」
当時は本人がまだ米国でのプレーを望んでいたこともあり、インディアンスとのマイナー契約で決着した。だが、DeNAの幹部が「ぜひ、うちに来てもらいたい」と入れ込んでいることもあり、このオフも間違いなく補強リストの1人として上がってくるだろう。
何よりも、ベイスターズは投手陣の補強が急務。今年は野手の補強に成功し、中日から獲得したブランコが主砲として活躍した。俊足のモーガンも、スタートこそ出遅れたが、規定打席に到達する活躍で打率3割前後をキープ。1988年生まれと若い梶谷隆幸内野手も台頭し、レギュラーを獲得している。野手は捕手を除けば、力のある選手で固めつつあるのだ。それでも、なかなか勝ちきれないのは投手陣が穴だらけなため。松坂を中心に投手整備ができれば、さらに上を望めるだろう。
元々、松坂は横浜高校出身で、ベイスターズ入りを熱望していた経緯がある。ドラフト会議の抽選の結果で西武に入団し、その後、米国へと飛び立ったが、いつかは地元でプレーしてみたいという思いがあっても不思議ではない。同級生の後藤武敏、小池正晃ら横浜高校出身の選手も多い。環境は整っているのだ。
ただ、横浜DeNAも楽観視はできない。資金力があり、摂津正に次ぐ先発投手がほしいソフトバンク・ホークスもすでに調査を本格化させており、すぐにでも手を挙げる可能性がある。田中将大のメジャー移籍が囁かれている楽天も、ポスティング資金で松坂獲得へ動く準備はできていると球団関係者は話す。このオフ、松坂を巡ってメジャー、そしてDeNAをはじめとする日本球界がストーブリーグを賑わすことになるかもしれない。
【了】