注目が集まるナ・リーグのMVPレース
最有力候補はパイレーツのマッカチェン
米国内でナ・リーグのMVPレースに注目が集まっている。特集記事を組んだ全国紙USAトゥデーが有力候補として名前を挙げたのは3人。パイレーツのアンドリュー・マッカチェン、カージナルスのヤディル・モリーナ、ドジャースのクレイトン・カーショーだ。
マッカチェンは不動の3番打者としてパイレーツを牽引する。打率3割2分6厘、OPS(出塁率と長打率を足したもの)9割2分4厘は、いずれもリーグトップ5以内。抜群の身体能力を生かしたセンターの守備でも存在感を見せる。
そして、何よりも大きいのは、アメリカ4大スポーツで最長記録となっていたチームのシーズン負け越しを20年連続で止めるのに貢献したことだ。プレーオフ進出も確実な状況だが、その「顔」がマッカチェンであり、全国的な知名度も飛躍的に上がっている。
モリーナはカージナルスの安定した戦いを支える。キャッチャーとしての能力はメジャーNO1とも言われ、チームの高い投手力を引き出す存在だ。今季は打率3割1分7厘と打線の中でも主軸の1人として活躍。こちらもチームを代表する選手として、名前が定着しつつある。中地区でパイレーツ、レッズと優勝を争っているが、最悪でもワイルドカードでのプレーオフ進出が確実で、MVPの有力候補であることは間違いない。
投手であれば、MVPに値するのはカーショーだけだ。先発投手にはサイ・ヤング賞がある上に、全試合に出場するわけではないため、MVPには選出されにくい傾向にある。だが、2011年のジャスティン・バーランダー(タイガース)以来となる快挙があるかもしれない。左腕は白星こそトップに4つ差の14勝にとどまっているが、WHIP、奪三振、投球回数などあらゆる数字がリーグ1位。防御率1点台(1・94)はメジャーでただ1人だ。ドジャースは西地区首位を独走しており、貢献度が最も高いのがカーショーと言える。
同紙はマッカチェンが最有力候補で、対抗がモリーナ、穴がカーショーとの見方を示している。いずれにせよ、大混戦となることは間違いなさそうだ。(※数字はすべて18日時点のもの)
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