勢いに乗るワイルドカードの2チーム
下克上でのワールドシリーズ制覇に期待が掛かる
続いてレイズ。シーズン最終戦(ブルージェイズ=トロント)から、ワイルドカード決定戦(レンジャーズ=アーリントン)、そしてワイルドカードゲーム(インディアンス=クリーブランド)と敵地を転々としながら、負けられない試合をすべてモノにしてきた。くせ者ぶりを十分に発揮しているチームにも、19個の「素晴らしいことがら」がある。
まずは『守備』だ。レギュラーシーズンの守備効率はリーグ2位。ジョー・マドン監督が敷く大胆なシフトに加え、ベン・ゾブリストとユネル・エスコバーによる二遊間の守備が光る。投手陣では『デビッド・プライス』の存在が大きい。昨年のサイ・ヤング賞左腕は負傷離脱もあり10勝8敗に終わったものの、4完投はリーグトップ。若手をリードする役割もこなしている。
チームの強化方針も称賛の的となっている。『“自家製”の投手陣』は驚異的だ。今季の先発ローテーションを支えたプライス、アレックス・カッブ、マット・ムーア、ジェレミー・ヘリクソンは全員がドラフトでレイズに入団した生え抜き選手。中盤戦からはクリス・アーチャーもマイナーから昇格して存在感を発揮した。
そして、同じようにドラフト入団でチームの顔となった野手とは、大胆に契約を結んだ。『エバン・ロンゴリアと永久にサイン』。27歳のスター選手とは、すでにオプションを含めて2023年まで契約を結んでおり、今オフにはさらに延長する見込みだ。育成を重視するチーム作りは理想的とも言える。
ほかには『ジョー・マドンが動物をクラブハウスに招き入れる』という項目も。名将は今季、蛇を連れてロッカーに表れるなどしてチームのムードを盛り上げた。『フェルナンド・ロドニーの帽子』も、もはや名物だ。守護神が帽子を斜めにかぶることについて、同紙は「彼がやると、とてもクールだ」としている。『スタジアムに本当のレイズ(エイ)がいる』も当然のように項目入り。センターにある水槽でエイを飼っていることは、あまりにも有名な話となっている。
以上のように、サバイバルに生き残ってきた2チームにも魅力はいっぱい。知れば知るほど、下克上でのワールドシリーズ制覇にも期待が高まってくる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count