48歳の山本昌 長寿の秘訣にはトップアスリートとの共通点があった

48歳の肉体は、普通ならば投げられる体ではない

 10月5日のナゴヤドーム。中日ドラゴンズの山本昌は後輩の引退セレモニーを優しい眼差しで見守っていた。山崎武司(44)の引退試合となった横浜DeNA戦に先発し、2回を無失点。20歳以上も年下の梶谷隆幸や荒波翔から三振を奪うなど、健在ぶりを見せ、引退に花を添えた。

「同世代の選手、特に後輩がやめていくのは、さみしいものだよね」。そう漏らす山本に告白するかのように、山崎が発した言葉は印象的だった。

「ドラゴンズのみなさん、1年でも長くユニフォームを着てください。中日ドラゴンズには僕の先輩である山本昌さんがいます。山本さんには負けたくない。でも負けてしまいました。後輩諸君、山本さんに少しでも近づけるよう、追い越せるよう、がんばってください」

 48歳の山本は、来季もユニフォームを着る。8月28日のヤクルト戦(神宮)で勝利投手になり、自身の持つ最年長先発勝利記録、セ・リーグの最年長勝利記録を更新。投げれば、そこに記録が生まれる。本人も「記録ができることはうれしいことです。がんばっていかないといけないと思う」と刺激を受けている様子だ。

 なぜ、山本昌がこれほど長い間、第一線で投げられるのか。最大の理由は、大きなケガをせずに現役を続けられていることだと、野球関係者は指摘する。

「48歳の肉体は普通ならば、もう投げられる体ではない。でも、山本昌の場合はとにかく体が強い。48歳で投げられる体を持っていることが、すごいことなんです」

 同関係者は、例えば、1学年上の巨人・斎藤雅樹投手(現巨人投手コーチ)も現時点で5回を投げることは可能だと推測する。だが、50歳近い年齢でもシーズンを通して継続的に投げ続けられるタフさは、山本にしかないのだという。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY