巨人の次世代スター候補 中井大介を覚醒させた事件とは
社会人としてあるまじき「寝坊事件」
巨人の中井大介内野手(23)が虎視眈々と1軍復帰を目指している。東京ドームで行われた8月4日の阪神戦のセカンドの守備で左膝を強打。靭帯損傷の重傷を負った。「怪我をしてしまったことは仕方ないと思っています。全力の中のプレーだったので」。そう振り返る中井は全治2か月と見られていたが、9月中旬に実戦復帰。10月に入ってからは教育リーグ(2軍戦)出場のため宮崎に移り、バットで結果を残し続けている。
これまでなら、ただの2軍選手の1人だった。しかし、6年目の今年はようやく覚醒。今季途中で怪我をするまで48試合に出場し、打率3割2分4厘、4本塁打と好成績を収めた。一時はセ・リーグの首位を走るチームの1番も任されている。怪我をした際はチームもファンも落胆するほど、その勝負強さは際立っていた。
中井が今季、飛躍したきっかけは「寝坊事件」だった。
チーム関係者の顔が険しくなった。6月中旬のことだ。練習開始時間になっても中井の姿がない。寝坊だった。社会人としてあるまじき行為に「チームに、そしてファンに申し訳ない気持ちでいっぱいです」と本人も猛省。規律に厳しい川相昌弘ヘッドコーチは即座に中井の2軍落ちを決めた。1軍に定着しつつあった大事な時期でのアクシデントだった。
再昇格するまでは少なくとも10日間を要する上、最短で戻れる保証もない。さらに数試合の謹慎処分を受けたため、2軍ですぐ出場機会を与えられるわけでもなかった。