菅野の逆襲? CSの完封劇でセ・リーグ新人王レースに異変

ポストシーズンで今季最高の投球を見せた菅野

 そんな中、生まれたのが菅野のCSでの好投だ。新人王は記者投票によって決まり、レギュラーシーズン、ポストシーズン問わず、活躍が評価される。そのため、先日の菅野のようなCSでの完封も評価の対象になるのだ。

 菅野にとっては、もう登板のない小川を追い上げる大きなチャンスであり、その大舞台で、CS最多タイの11奪三振をマークするなど今年最高の投球を見せることに成功した。これが投票権を持つ記者に大きなインパクトを与えたことは間違いない。

 広島戦は6回ワンアウトまでノーヒットピッチング。ボテボテの投手内野安打でノーヒットノーランの夢は途絶えたが、“下剋上”を目指す相手の勢いを止めた投球は圧巻だった。チームは翌18日も勝利し、3連勝でCS突破が決定。歴史に名を刻む投球で日本シリーズ進出の立役者となった菅野は、CSの最優秀選手にも選ばれている。

 日本シリーズは新人王の投票期間に入っていない。つまり、菅野は最高のアピールで、セ・リーグでの試合を終えたことになる。レギュラーシーズンでの小川の活躍は目を見張るものがあったが、チーム成績やポストシーズンの内容を含めれば、菅野が残したインパクトは計り知れない。いずれにせよ、新人王レースに関して両者がアピールできることはもうない。お互い、あとは信じて待つのみだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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