「最高の対決」となったワールドシリーズ データから見る頂上決戦の見どころ
レッドソックスのブルペンを支える上原と田澤
投手力でも色の違いははっきりと表れている。表現するならば「ブルペンのレッドソックス」、「先発陣のカージナルス」といったところか。
レッドソックスは救援陣の奮闘でポストシーズンの接戦をモノにしてきた。先発陣の防御率は4・29ながら、救援陣の防御率はワイルドカードゲームの1試合で敗退したインディアンス(0・00)を除いてトップの0・84。その中心は、もちろん日本人の2人だ。
守護神の上原はポストシーズン8試合に登板し、9イニングで失点はレイズとの地区シリーズ第3戦で浴びたサヨナラ本塁打の1点のみ。リーグ優勝決定シリーズでは1勝3セーブ、失点0でMVPに輝いた。レンジャーズ時代の2011年には、ポストシーズン史上初の3試合連続本塁打を浴び、カージナルスとのワールドシリーズでメンバーから外された苦い経験がある。奇しくも2年前と同じ相手との対戦となった大舞台。胸には期するものがあるはずだ。
田澤も上原に負けない貢献度でチームを頂上決戦へと導いた。ポストシーズンでは8試合で5イニングを投げて1失点。リーグ優勝決定シリーズでは、現役最強打者のミゲル・カブレラと第3、5、6戦の3度対戦。すべてピンチの場面だったが、全8球を150キロ超えのストレートで押し、空振り三振、セカンドゴロ併殺打、ショートゴロと抑え込んだ。
ジョン・ファレル監督は勝負所で必ず田澤を投入しており、その信頼の厚さがうかがえる。第6戦では、日本人で史上5人目となるポストシーズン白星というおまけも付いた。ワールドシリーズでも、緊迫した場面で日本人リレーが見られるだろう。