上原、田澤の前に立ちはだかる“米史上最強打者”カルロス・ベルトラン
2人の偉人を抑えた「ミスターオクトーバー」
6位はカーク・ギブソン。ドジャース時代の1988年、ワールドシリーズ第1戦では足のケガを押して9回に代打で出場し、サヨナラホームランを放った。その際、足を引きずりながらダイヤモンドを1周した場面は語り草となっている。5位のルー・ブロックはカージナルスを3度ワールドシリーズに導き、世界一に2度輝いた。いずれのシリーズも最後までもつれたが、第7戦の3試合で計11打数5安打、1本塁打と勝負強さを発揮した。
4位は、数年前まで現役最強打者に君臨していたアルバート・プホルス。カージナルス時代は通算打率3割3分とポストシーズンに強く、2004年のリーグ優勝決定シリーズでは32打数14安打、4本塁打、2二塁打と強烈なパワーを見せつけた。
3位のルー・ゲーリッグ、2位のベーブ・ルーズについては、もはや説明の必要はないだろう。レギュラーシーズンだけでなく、ワールドシリーズでも豪快な打撃を見せ、ヤンキースの黄金時代を築いた。
そして、2人の偉人を抑えて1位に輝いたのは、カージナルスの主砲として今回のワールドシリーズに出場するカルロス・ベルトランだ。ポストシーズンでの全ての数字を見ればゲーリックとルースにわずかに及ばない。ただ、同紙は一般的に.700で「並」.900以上で素晴らしいとされているOPS(出塁率+長打率)を、ベルトランがポストシーズン44試合で通算1.173を記録していることについて「ばかばかしい」と表現。さらに、16本塁打はゲーリック、ルースを上回っている。
ただ、意外なことにワールドシリーズに出場するのは今年が初めて。過去3度のポストシーズンでは、いずれもリーグ優勝決定シリーズで敗退してきた。初めて世界一への挑戦権を手にした今回、「ミスターオクトーバー」がどんな活躍をするのか。ここまでレッドソックスを牽引してきた上原、田澤にとっては、とんでもない強敵となりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count