選手の高齢化が進み、故障者も続出。今オフの補強で、名門・ヤンキースの再建は可能か?

投手、内野手ともに不安要素ばかり

 そこで名前が挙がっているのが、リストに載っている田中とマホームだ。正確にはFAではないが、日本で無敵を誇った田中獲得は最優先事項と位置づけており、6000万ドル(約59億円)に達すると言われる落札額も払う気満々の様子。ドジャースやレッドソックスとの争奪戦に敗れるようなことがあれば、補強プランは大きく狂うだろう。

 さらに、黒田の去就がどうなるかによっても、補強プランは大きく変わってくる。ブライアン・キャッシュマンGMは「彼はヤンキースのエース。我々は戻ってきてもらいたいと思っているが、何が起こるか分からない」と残留を希望する一方で、「日本への復帰や他球団が獲得に動くといううわさも常にある。今後の状況を見極めなければいけない」と移籍の可能性も認めている。残留は難しいとの見方もあるが、ヤンキースにとっては何が何でも引き留めたい選手。サバシアの復活が条件だが、黒田、ノバ、田中、マホームと揃えば、先発陣は計算できる。

 また、内野手も厳しい。一塁はマーク・テシェーラがケガから復帰すると見られているが、二塁はロビンソン・カノがFAとなる。10年3億1000万ドル(約302億円)を要求していると言われるスター選手との契約延長は今オフの最優先事項だが、破談になる可能性は決して小さくない。三塁はアレックス・ロドリゲスが薬物規定違反で来季開幕から出場停止となることが濃厚で、遊撃はデレク・ジーターが故障がちのため、バックアップが必要だ。捕手もフランシスコ・セルベリが出場停止から戻ってくる予定だが、十分な戦力とは言い難い。

 ニューヨーク・ポストで獲得候補に挙げられているのは、遊撃のドリューと捕手のマッキャン。ただ、後者は年俸が高すぎるとされている。ドリューもライバルのレッドソックスの選手で、獲得すれば来季のドラフト指名権の譲渡が必要となるクオリファイング・オファーを出されるとも言われており、障害は多い。二塁と三塁にいたっては、カノとAロッドの結果が出ないと動けない。つまり、ほとんど目処が立っていないのだ。

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