選手の高齢化が進み、故障者も続出。今オフの補強で、名門・ヤンキースの再建は可能か?
外野手の戦力は揃いそうだが…
一方で、外野手は戦力が揃いそうだ。まずは、クオリファイング・オファーを出すとされているカーティス・グランダーソンの残留交渉が優先となるだろう。さらに、ナ・リーグ2位の出塁率4割2分3厘を記録したレッズの秋信守を狙っており、カージナルスのカルロス・ベルトランも候補だという。ただ、すでにアルフォンソ・ソリアーノ、ブレット・ガードナー、バーノン・ウェルズ、イチローと人数は揃っており、こちらは構成が難しい。
キャッシュマンGMは今季終了後、イチローの守備と走力を評価した上で「いい状態のときは試合の流れを変えられる選手。(来季も)持っている力を出してくれることを期待している」と話した。しかし、その役割については「今後の編成次第だ。どうなるかはまだ分からない」としている。大方の予想通り、ジョー・ジラルディ監督の続投が決まっただけに、今季のような限定的な起用法が続く可能性もある。“贅沢税”の縛りがあることを考えれば、現有戦力を最大限に活用することが課題と言えるのだが、方向性は見えてこない。
イチローがライトを守り、黒田と田中が先発ローテーションで投げるヤンキースは見られるのか。それとも、すべてが最悪の事態となり、今季よりも厳しい戦いを強いられてしまうのか。再建へ向け、キャッシュマンGMが解決すべき問題はあまりにも多い。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count