獲得に興味を示すのは7球団!? 米国での注目度が高まる田中将大
記録的な数字を残した田中に対して高まる期待
候補は7球団に達した。来季のメジャーリーグ挑戦が確実視されている田中将大投手について、ニューヨークで最大発行部数を誇るニューヨークタイムズ紙も特集記事を組んだ。同紙によると、ポスティング・システム(入札制度)での獲得に興味を示している球団には、すでに名前が挙がっていたヤンキース、レッドソックス、ドジャース、レンジャーズ、エンゼルスだけでなく、マリナーズ、ブルージェイズも含まれるようだ。
記事の中では今季、日本で年間本塁打数を更新したウラディミール・バレンティンとともに、24勝無敗、防御率1・27と記録的な1年を過ごした右腕を紹介。田中が今季、のべ822人の打者と対戦して6本塁打しか浴びなかったと記している。ポスティングには前述の7球団が興味を示しているとして、他紙の報道と同じように、契約はダルビッシュ有と同レベルの6年5600万ドル(約54億円)程度になるとした。
また、日本のあるベテランスカウトの評価を掲載。田中の直球は90~97マイル(約145~156キロ)で、スプリットとスライダーは右打者、左打者の両方に対して並外れた球種だと絶賛している。多くの好投手がそうであるように、ピンチになるとギアを上げることができるのは特筆すべき点だとして、直球がさらに伸び、スプリットの切れ味も増すと指摘。カーブとチェンジアップのコントロールも平均レベルだとしている。
別のスカウトは「彼はMLBで24勝無敗の成績を残せるわけではないが、優れたタレントである」と、そのスター性も評価している。
さらに、田中が東日本大震災の被災地である仙台に本拠地を置いていることにも注目。津波が仙台を襲い、本拠地・クリネックススタジアム宮城も地震による被害があったが、田中率いるかつての弱小チームが日本シリーズで巨人に挑もうとしていると詳しく書かれている。
日本に10年間住むMLBジャパンのジム・スモール代表は、同紙の取材に対して「被災地ではまだ多くの人が仮設住宅で暮らし、多くの人が仕事を探すために土地を離れざるを得なかった。田中とイーグルスが、そんな人々を幸福にしている。これは本当に素晴らしいことだ」と答えている。
楽天が日本シリーズに進出し、その注目度は米国でもさらに高まっている。メジャーの複数球団が熱視線を送る24歳右腕が、26日から開幕する日本シリーズで巨人相手にどんな投球を見せてくれるのか。盛り上がっているのは日本だけではない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count