どうなる? 来季の日本人メジャーリーガーの去就
安泰なレッドソックスの2人
世界一に輝いた2人の来季は安泰だ。レッドソックスで超人気選手となったクローザーの上原浩治(38)は、すでに「ベスティング・オプション」での残留が決まっている。55試合に登板した時点で来季までの延長が自動更新される契約で、年俸は今季と同じ425万ドル(約4億2000万円)となる。今季の大活躍を考えれば「超お買い得」。守護神の座は確約されていると言えるだろう。
一方、上原と共にブルペンで重要な役割を果たし、世界一に大きく貢献した田澤純一(27)は、年俸が跳ね上がることが確実だ。昨オフに81万5000ドル(約8000万円)で1年契約を結んだが、FAになるのは2017年のため、球団に保留権がある。ただ、渡米5年目でメジャーでの実働3年を突破したため、今オフには年俸調停を申請する資格を得た。希望年俸を要求することが可能になるため、大型契約が予想される。
また、ブルワーズの青木宣親(31)は2年契約が終わったものの、契約延長の選択権を球団が早々に行使。1年190万ドル(約1億8700万円)での残留を地元紙は「とてつもないバーゲン」と表現している。
複数年契約ながら、混沌としているのはイチロー(40)だ。地元メディアは、トレードに出されるとも報じている。昨季も獲得に動いたジャイアンツ、フィリーズなどが手を挙げるかもしれない。本当に放出となれば、初のナ・リーグでのプレーが現実味を帯びてくる。
また、アスレチックスの中島裕之(31)もあと1年契約を残すが、来季の状況は不透明。米国挑戦1年目は1度もメジャー昇格を果たせず、本人がトレードを望む可能性もある。メジャーでプレーできる見込みがなければ、日本復帰も1つの選択肢か。昨季、左肘の靱帯再建手術を受けた和田毅(32)も、実戦復帰はしたが、米国2年間で1度もメジャーのマウンドに上がれなかった。球団が契約選択権を破棄するとの報道があり、厳しい状況に追い込まれている。
メジャーで2試合の登板に終わった高橋尚成(38)は、米国、日本にこだわらず移籍先を模索中だ。ジャイアンツでメジャーデビューを果たした田中賢介(32)はマイナーでシーズンを終えたが、再契約が濃厚。アスレチックスの岡島秀樹(37)はFAとなり、日本復帰の可能性が高まっている。
米国内では、早くも多くの選手の契約がまとまり始めている。今オフの動きは読めない部分が多く、日本人選手の驚くようなニュースも飛び込んでくるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count