メジャースカウトもマー君が心配?

あるスカウトは「彼の腕を心配している」と表現

 楽天の田中将大(25)が日本シリーズ第7戦を「連投」で締めくくったことが、米国でも反響を呼んでいる。米紙ニューヨーク・タイムズは「160球を投げた次の日に、田中が日本シリーズを終わらせた」と題した記事を掲載した。来季のメジャー挑戦が確実視される右腕の動向は米国でも細かくチェックされており、あるスカウトの「彼の腕を心配している」というコメントも紹介。球数制限の厳しいメジャーでは、極めて異例の登板と見られたようだ。

 同紙は、田中が第6戦で敗れた次の日に再びマウンドに上がり、15球を投げてセーブを挙げたことを詳しく書いている。日本を離れることを決断すれば「トップフリーエージェント」となる右腕は、9回に打者5人と対戦して巨人を破った。しかし、2日間で175球を投げたことで、彼に興味を持っているいくつかのメジャー球団がアラームの音量を上げたという。

 あるスカウトは「私は彼の腕を心配している」と話している。

 メジャーではケガを恐れるため、球数を厳しく制限。160球を投げさせることもしないし、次の日にマウンドに上がらせることもない。ただ、日本の投手はメジャーよりも遙かに多い球数を投げることがよくあると指摘。スカウトは第7戦の田中について、直球は92マイル(約148キロ)~94マイル(約151キロ)で、通常の90マイル(約145キロ)~96マイル(約155キロ)よりもやや遅く、ボールは高めに浮いていたとしている。

 さらに、日本では最高のピッチャーに最後の1アウトを取らせることが名誉になると考えられていると表現。特に、楽天の星野仙一監督は、記録的なシーズンを送った田中にその特権を与えたがったとしている。

 同紙によると、田中には、ヤンキース、レッドソックス、ドジャース、カブス、エンゼルス、レンジャーズが強く興味を抱いていて、ポスティングとなった場合には多額の入札を考えている。160球を投げたことが、それらのチームに入札を思いとどまらせることは恐らくならないという。ただ、翌日に15球を投げことで、落札したチームはメディカルチェックを要求することになるかもしれないとしている。

 海を渡れば、日米の価値観の違いを乗り越えることも田中にとって大きな課題となる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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