米全国紙もFA市場でマー君をトップ扱い 松坂は「現実的なオプション」
上がり続ける田中将大の知名度
「タナカ」の名前が登場しない日はない。米全国紙USAトゥデーは、FA市場での先発投手特集を組み、楽天の田中将大(25)が全体のトップで取り上げられた。日本シリーズが終わってから、米メディアの間では歴史的なシーズンを送った右腕への注目が沸騰中だ。ヤンキース、メッツからそれぞれFAとなった黒田博樹(38)、松坂大輔(33)の名前も登場している。
同紙は、田中を「TOP SHELF(棚)」と題したグループの中でも1番初めに紹介。ポスティング・システム(入札制度)でのメジャー挑戦を表明すれば、マーケットで「トップスターター」になると断言している。今季の成績や、ダルビッシュ有を上回る入札額になることなど、説明自体はこれまでの報道とあまり変わりはない。もはや、米国内でも田中について細かい説明をする必要はないほど、その知名度は上がっている。
このグループの中には、ほかにウバルド・ヒメネス(インディアンス)、アービン・サンタナ(ロイヤルズ)、マット・ガーザ(レンジャーズ)が入っている。いずれも年齢は30歳ほどと働き盛りで、今季は好成績を残した。ただ、注目度では田中に及ばないようだ。
復活を印象づけた松坂大輔
「ミドル・クラス」では、ドジャースの先発4番手として奮闘したリッキー・ノラスコの扱いが大きい。このグループでは、黒田、A・J・バーネット(パイレーツ)、バートロ・コロン(アスレチックス)も登場するが、ノラスコはトップグループの選手のように今年で31歳と比較的若いことがプラス要素のようだ。
38歳の黒田は、40歳のコロンと同じで1年契約を結ぶことになるだろうとされている。本来ならトップグループにいてもおかしくないが、年齢に加え、防御率3・31と奮闘しながらシーズン終盤に成績を落としたことが響いているようだ。
そして「リサイクル・ビン」と名付けられたグループの中には、松坂の名前も。ロイ・ハラデー(フィリーズ)、ヨハン・サンタナ(メッツ)、バリー・ジト(ジャイアンツ)ら、近年は不調に苦しむ大物投手も挙げられているが、松坂は「より現実的なオプション」とされている。メッツでは3試合のひどい先発のあと、4試合の力強い投球を見せたと評価されており、しっかりと復活を印象づけたことが分かる。年俸が安く済むことも魅力だということだろう。
田中にばかり注目が集まっているが、2人の先輩も市場で鍵となる存在。特に、黒田の動向は、メジャー全体に影響を与えることになりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count