争奪戦は最大15球団に拡大!? マー君の移籍先を占う
大穴、ブルージェイズ
最後に、大穴と言えるのはブルージェイズ。こちらも、今季は先発投手陣の崩壊で早々に低迷を始めた。まだ、あまり目立った動きは報じられていないが、間違いなく争奪戦に参加してくるだろう。ダルビッシュの時には、入札の締め切り後に地元紙が「ブルージェイズが落札」と大々的に伝えながら、フタを空けてみれば敗戦。入札金額は2番目ながら、レンジャーズに遠く及ばない金額だったとされている。田中を本気で獲得しにいくとなれば、その反省を生かして、豊富な資金力をフルに生かしてくるはずだ。
この7チームを軸に、ツインズ、ロイヤルズ、マリナーズ、アストロズ、メッツ、フィリーズ、パドレス、ロッキーズも獲得候補として挙げられている。各球団にとって、戦略上で最大の問題となるのは、新ポスティング・システムがどのような形に落ち着くかだ。
日米間で行われている協議は難航しており、田中もメジャー挑戦の意思表示すら出来ない状態。遅れれば、田中の行き先も越年決着となる可能性すらある。現在は、落札額1位と2位の中間点の金額が旧所属チームに支払われ、1位の額を入札した球団が交渉権を獲得。交渉が成立しなければ落札球団に罰則が設けられるという案が決定的となっているが、日本プロ野球選手会が異議を唱えているとの報道もある。
また、米国内では、いまだに上位3球団から選手が選べる方式になるとの見方も多く、状況は流動的だ。3位球団までに入ればいいとなれば、ヤンキースやドジャースに資金力で劣るチームにもチャンスが出てくる。
田中の今季の成績が圧倒的であることに加え、ヤンキースが本腰を入れていることもあり、争奪戦はダルビッシュの時を遙かに上回る騒動となっている。最有力候補の名門球団を中心とした“マー君狂想曲”は、まだまだ続く。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count