各球団に存在する“出世番号” 選手の成長を後押しする不思議
各球団にも存在する“出世番号”
では、他の球団ではどうだろう。最近では巨人の「61」がそれにあたる。2006年に高校生ドラフト1巡目で入団した坂本勇人内野手が「06」年の「1」巡目ということで61番を背負い、2年間プレーした。すると坂本は2008年に松井秀喜氏以来となる10代での開幕スタメン出場を果たすなど飛躍。2009年に現在の「6」を与えられた。
その坂本の変更を受け、今度は中井大介内野手が入団時の「94」から「61」を受け継いだ。すると今年、怪我があったものの、その才能を開花させるかのようなブレークを見せている。さらに、今年のドラフト2位指名を受けた和田恋内野手(高知高校)が来年、その「61」を背負う模様。“出世”のきっかけをつかんだ中井だけでなく、その和田にも坂本や中井のような右の好打者への成長が期待される。
横浜は「17」が飛躍の番号だと言える。今年、侍ジャパンに選出され、先日の台湾との強化試合にも先発した新人の三嶋一輝投手が背負うナンバー。過去には秋山登氏、斉藤明夫氏がつけて新人王を獲得している。また、西武でその番号に当てはまるのは「32」。1994年から3年間、松井稼頭央内野手がつけて、ライオンズの顔になると「7」に変更。現在は2009年から浅村栄斗内野手が背負っていて、今年は打点王を獲得した。「24」も伝統的に好選手がつけており、鉄腕・稲尾和久氏が背負った伝説の番号としても有名。現役時代の秋山幸二ソフトバンク監督も「1」を背負う前に「24」を1982年から5年間つけていた。
ロッテは「27」が出世番号になりそうだ。1967年から79年まで13年間背負ったのが八木沢荘六氏。1987年から1992年まで牛島和彦氏がつけた。その後、河本育之氏らがつけた後、2006年から古谷拓哉投手が受け継いでいる。その古谷は今季、遅咲きながらローテーション投手となるなど成長の跡を見せた。27番が真の出世番号であるかどうかは、来季の古谷の活躍にかかってくるだろう。
こんな風に語り始めたらキリがないのが背番号。たかが数字かもしれないが、それぞれの背中には、様々な思い出や人間模様がつまっている。来季は果たしてどの番号が輝きを放つのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count