新ポスティング・システムの不成立でFA市場も混乱 全米が田中将大の動向に注目!?
FA市場に資金は有り余っている
新たなポスティング・システム(入札制度)の締結が遅れていることによって、米国内でも反響が出ている。米紙ニューヨーク・ポストは「田中のポスティング・システムの遅れが、先発投手のFA市場に影響を与えている」と題し、特集記事を掲載した。
同紙は、新たなポスティング・システムの締結が遅れたことによって、FA市場の先発投手の動向に影響が出ているとしている。レッズからFAとなったブロンソン・アローヨにはヤンキースが興味を示しているが、代理人テリー・ブロスは「(ポスティングの差し戻しは)衝撃を与えるに違いない」と話し、FA市場に混乱が生じることを認めた。さらにメジャー行きが宙に浮いている田中将大について「彼は影響力のあるピッチャーだが、今現在は市場に出ていない。ただ、この先に何が起きるかを誰が分かるだろう」と話している。
今週初めには、田中がポスティングでのメジャー挑戦を表明した場合、最も価値のある投手の1人だとされていた。ただ、日本プロ野球選手会は、フロリダ州オーランドでのオーナー会議の前に、MLB側が提案した新たなポスティングに対する答えを出すことが出来なかった。これについて、MLBの低予算球団は「返事が遅かった」と反発。ヤンキースやドジャースと違い、低予算のチームは“贅沢税”にポスティングの落札額が含まれない現在のシステムにはついていけないと考えており、その不満を爆発させた形だ。
ブロス氏は「市場の発展には時間がかかるが、最終的にどうなるべきは誰も分かっていない」とし、「我々は、(予算のあるチームが)FAの選手とサインするか、田中のポスティングでのメジャー挑戦が決まって交渉権を得たチームとサインするか、市場が動き出すのを待っている」と話している。つまり、アローヨのような他のFA投手は、新たなポスティングの制度が決まり、田中に動きが出るまで待つしかないのだ。
「誰もまだ契約を結んでいない」とブロス氏。各チームが田中のために予算を組んでいたため、「(FA市場に)ピッチャーはたくさんいないけど、資金は有り余っている」という。低予算の球団は、今はただ待つしかないが、ポスティングが成立するかどうかが決まれば、市場は一気に動き出しそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count