ダルビッシュが世界一に輝くために最適な補強は?
世界一のためにキンズラーを放出?
悲願の世界一のためには何が必要か。米国のケーブル局ESPNの電子版は、ダルビッシュ有投手(27)が所属するレンジャーズは、イアン・キンズラーを放出してブライアン・マッキャンを獲得するべきだと報じた。不動の二塁手がトレードに出されれば衝撃が走ることは確実だが、秘策になる可能性も十分にある。
ブレーブスからFAとなるマッキャンを捕手不在となるレンジャーズが狙っていることは、以前から噂になっていた。ただ、キンズラーの放出は新たな提案だ。
記事では、2年連続で地区優勝を逃したレンジャーズの問題点は、故障者の多い先発投手陣ではなく、打線のパワー不足だと指摘。レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンはボールがよく飛び、メジャー屈指の「ヒッターズ・パーク」と言われているが、長打の割合を比較する数値のIsoP(長打率-打率)は今季、メジャー全体で13位、リーグでは10位に終わっている。
レンジャーズはA・J・ピアジンスキー、ネルソン・クルーズに加え、デビッド・マーフィー、ランス・バークマン、ミッチ・モアランドがFAとなった。パワー不足はさらに深刻だが、年俸は計5000万ドル(約50億円)が浮き、補強にあてられる。そして、今季は13本塁打に終わり、まだ4年6200万ドル(約62億円)の契約を残すキンズラーを放出すれば、さらなる大型補強が可能になる。二塁には有望株のジュリクソン・プロファーをレギュラーにすればいいだけの話だ。
獲得候補に浮上したマッキャン
そこで獲得候補として浮上するのが、6年連続20本塁打以上のマッキャン。右翼席への本塁打が出やすいアーリントンでは、強打の左打者がフィットする。右投手に対してキャリア長打率4割9分5厘をマークしているパワーは魅力的だ。
さらに、ブルワーズをFAとなったコーリー・ハートの補強も提案されている。こちらも右打ちながら長打力が魅力で、バークマンとモアランドがいなくなった場合、一塁を任せるには最適の人材だ。今季ケガで苦しんだハートは1~2年契約での獲得が可能と見られ、その後はマイナーの有望株ジョーイ・ギャロが昇格してくるのを待てばいいという。
また、クルーズの移籍が有力視されている外野では、ヤンキースが獲得を狙っているとされている秋守信、カルロス・ベルトランが補強候補に挙げられている。クルーズの残留も選択肢の1つだが、左打者の方がレンジャーズにとっては必要だ。
悲願の世界一に向けて、オフの動きが注目されるレンジャーズ。今季は援護の少なさに苦しみ、サイ・ヤング賞を逃したダルビッシュにとっても、昨年までのような強力打線が復活するかどうかは死活問題となるだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count