ヤンキースの補強の鍵となる、3つの事象と3人のプレーヤー
徐々に見えてきた球団側の狙い
地元メディアにもまだ方向性が見えていない。米紙ニューヨーク・ポストは「ヤンキースの今オフの方針はもうすぐ分かるだろう」と題した特集記事を掲載した。オーランドでのGMミーティングは終わったが、名門球団はあらゆる問題を抱えているため、現時点ではその強化方針の全容は明らかになっていない。ただ、徐々にではあるが、球団側の狙いが見え始めているようだ。
ヤンキースは、捕手を含む内野のほぼ全てのポジション、そして右翼の補強が必要とされている。さらに、投手陣にも同じことが言えるという。つまり、ほぼ全てのポジションで問題を抱えているのだ。右翼が補強ポイントとして挙げられるあたりに、イチローに対する期待が決して大きくないことが見えてくる。
GMミーティングでぼんやりと見えてきたのは、3つの事柄だ。
▽ビッグネーム獲得にリミットは設けない
贅沢税を避けるため、ヤンキースは来季の選手の総年俸は限度額の1億8900万ドル(約189億円)以内に収める方針だと伝えられてきた。今オフの疑問は、名門球団が本当にそうしようとしているのか、それとも、いまだに多額の資金を要する選手とサインしたがっているのかどうかということだった。そして実際には、オーランドでのヤンキースの動きは積極的だった。球団幹部は、FAとなった打者の中でトップの4人とされている、秋信守、ステファン・ドリュー、ブライアン・マッキャン、カルロス・ベルトランの関係者と接触したという。
▽デビッド・ロバートソンの守護神の座は約束されていない
昨季限りで引退したマリアノ・リベラの後継者は、セットアッパーの昇格以外にも選択肢があるようだ。ブライアン・キャッシュマンGMとジョー・ジラルディ監督は以前、ロバートソンに9回を任せる方針を明かしていたが、その前に競争がありそうだ。FA市場には、ジョー・ネイサン、グラント・バルフォアなどクローザーが多くいるからだ。
▽依然として遊撃手を探している
今月初めにデレク・ジーターとの契約を延長したが、首脳陣は主将が毎日プレーできるとは考えていないようだ。昨年10月に左足首を骨折してから、39歳の大ベテランは度重なるケガに苦しんでいる。