スタジアムから見るマー君のオススメ球団は?

投手にとって投げやすい球場は?

【ロジャース・センター(ブルージェイズ)】

 世界初の可動式屋根付きの球場として知られる。寒いトロントだが、試合は安定した環境で戦える。今回、田中獲得を狙っているチームの中では唯一の人工芝で日本に近いが、日本人の中にはやりにくいと話す選手も多い。黒田はマウンドに「あそこはちょっと高いですし、傾斜もきつい。バッターボックスもちょっと低い感じがする」と違和感を覚えている。昨年は黒田、岩隈らが特大ホームランを浴びるなど、ドーム球場らしくボールが飛びやすい面もある。

【チェイス・フィールド(ダイヤモンドバックス)】

 開閉式の屋根を備える天然芝のスタジアム。フェニックスの街自体が砂漠の中に作られたため、1年を通してほとんど雨は降らないが、気温が高くなりすぎるため、屋根が付いている。日本人にとって最大の敵となるのは乾燥だろう。滑るとされるメジャー公式球が、さらに手に付かなくなる可能性がある。ただ、チームのキャンプもアリゾナで張っているダルビッシュ有は、今季初めて登板した際に「キャンプの時では乾燥しているので、すごく心配していましたけど、ゲームになってからは全然感じず、テキサスの方がよっぽどボールがツルツルしてました」と話している。

【レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン(レンジャーズ)】

 メジャー屈指の「ヒッターズパーク」として知られている。空気が乾燥していて、ボールがよく飛ぶ。特に右翼に本塁打が出やすく、左打者に圧倒的に有利な球場だ。ここで投げていると、あのダルビッシュですら「一発は仕方ない」と話すことがよくある。また、気温40度超えは珍しくなく、屋根が付いていないため、メジャーで最も厳しい暑さの中で試合をしなくてはならない球場だろう。

【エンゼルスタジアム(エンゼルス)】

 チームがスモールベースボールを掲げているため、ホームランが出にくく、投手有利の球場とされる。ロサンゼルス近郊にあるため、ドジャースタジアムと同じように安定した気候で、雨が降ることも少ない。コンディション調整には苦しまないで済むだろう。2011年から1年半在籍した高橋尚成が「ここにずっといたい」と漏らしたほど、快適な環境だ。

 選手にとって球場がいかに重要かは言うまでもない。環境への適応などを考慮すると、ロサンゼルスのドジャース、エンゼルスの2チームがオススメと言える。ただ、田中には、今季スター不在で観客動員に苦しんだヤンキースタジアムを盛り上げる存在としても期待をかけられている。活躍できなければ歓声がすぐにブーイングに変わる名門球団の本拠地も、闘争心あふれる右腕にはやりがいのある場所だろう。田中がメジャーの開放的な「ボールパーク」で躍動する姿を見たいと願うファンも多いはず。そのためにも、ポスティング問題が解決に向かって進んでいけばいいのだが、果たしてどんな決着を迎えるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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