フィルダー移籍の衝撃 大型トレードがもたらすものは
両者にとって効果的となったフィルダーのトレード
メジャーリーグならではのサプライズだった。タイガースのプリンス・フィルダー内野手(29)とレンジャーズのイアン・キンズラー(31)のトレードが成立し、20日に発表された。情報は事前に一切、漏れることはなく、米国内でも衝撃的なニュースとして取り上げられている。
メジャーでは、日本で考えられないような大型トレードが成立することが多い。文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、選手もユニホームが変わることに、それほど抵抗はない。チームを活性化させようと、あらゆる手だてが取られるのだ。昨年、成立した大型トレードでは成功と失敗があったが、果たして今回はどうなるのか。検証してみたい。
まずは昨年のビッグトレードを振り返りたい。衝撃的だったのは、8月に成立したレッドソックスとドジャースの超大型トレードだ。レッドソックスはエイドリアン・ゴンザレス、カール・クロフォード、ジョシュ・ベケット、ニック・プントを放出し、ジェームズ・ロニーと若手4選手を獲得。当初は不可解とされたトレードも、今季の結果を見ると正解だったと言える。
オーナー交代で金満球団となっていたドジャースに大型契約の選手を引き取ってもらったレッドソックスは、オフに上原浩治、マイク・ナポリ、ジョニー・ゴームズら適材適所の補強を行い、見事にチームを立て直してワールドシリーズを制覇。ドジャースも、トレードの最大の目的はゴンザレスの獲得だったとされていた。そのゴンザレスを加えた打線が機能し地区優勝。25年ぶりのワールドシリーズ進出にもあと1歩と迫った。「Win-Win」とまではいかないまでも、効果的なトレードだったと言える。