マッキャンのヤンキース加入は黒田やマー君にも好影響か?

強打の捕手をヤンキースが獲得

 ブレーブスをFAとなったブライアン・マッキャン(29)がヤンキースに加入することが、23日に米メディアで一斉に報じられた。来季、贅沢税を避けるために選手の総年俸を限度額の1億8900万ドル(約190億円)に収めることを目指している名門球団が、5年総額8500万ドル(約86億円)での契約に合意。何が何でも、この強打の捕手を獲得したかったようだ。

 米紙ニューヨーク・ポストは、マッキャンがヤンキースにとって大きな存在になるとしている。その実力を熟知しているブレーブスのロジャー・マクドウェル投手コーチが、捕手としての能力を絶賛しているのだ。

「彼はスカウトの報告をよく理解している。というのは、彼はスタッフについて熟知しており、ゲームで何をする必要があるかを理解しているんだ」。また、こうもコメントしている。「彼は多くの経験を積み、リーダーとしての役割を果たしていた」。スタッフの特徴まで把握し、レポートの傾向を頭に入れておく緻密さ。豊富な実績と強力なリーダーシップ。それらを兼ね備えるマッキャンは、ヤンキースでチームを牽引する役目を求められたとしても、適正は十分だと言える。

 補強ポイントだった捕手の座が埋まったことで、ヤンキースは次の動きに出ることになる。関係者によると、再契約を目指すロビンソン・カノとは今週中に面会する予定だという。右翼のレギュラー候補としてカルロス・ベルトランの獲得にも動いている。

 さらに現在は、黒田博樹が残留を決断することも待っている。その重要度は、ポスティング・システム(入札制度)でのメジャー挑戦が確実視されている楽天・田中将大の獲得と同じレベルだという。仮に2人がピンストライプを着ることになれば、バッテリーを組むマッキャンの存在は非常に心強い。

 マクドウェル氏は、マッキャンがヤンキースのクラブハウスにも影響をもたらすとしている。投手に敬意を抱き、徹底的に守ってくれるからだ。今季は、ホームランを打った後に感情を爆発させた相手打者に怒りを表し、乱闘となったことが2度あった。メジャーでは、ホームラン後に喜ぶのは投手への挑発行為とされており、味方が侮辱されたことが許せなかったのだ。熱い男は、今季プレーオフ進出を逃した名門球団を変える資質を持っている。

 重圧のかかるニューヨークのチームでプレーするのは初となるが、マクドウェル氏はそれも心配ないと太鼓判を押す。さらに、相手打者のスイングや打席での対応を見て、投手と配球を決めていけることもマッキャンの長所に挙げている。「彼は毎日、何が必要かを考え、実行できる」。このマッキャンの加入は、ヤンキースにとって今オフ最高の補強となるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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