続出する一発サイン なぜ契約更改で「保留」が減ったのか
最近では「保留」ではなく「決裂」?
契約更改交渉の設定日より前に、査定担当関係者が当該選手に電話を入れ、大体の金額と評価を伝えていたり、都内のホテルなどで事前に会って、話を進めている。球団側からすれば、保留者が続くことで、球団自体の印象も悪くなってしまう。また選手側も貴重なオフの1日を使って、何度も球団事務所に足を運んで交渉するのは時間がもったいないという思いもある。そこである程度根回しをしておけば、表向きはスムーズに話が進み、契約更改日の時間も短縮できるというわけだ。そのため、事前に意見交換をしておいて、会見が設定されている日にはサインをして終えるか、あるいは、まだ契約更改をしていない選手でも、すでに下交渉は終わり、大方の年俸の目処が立っているのである。
中日を自由契約となり巨人に入団した井端弘和内野手のようなケースは、最近では保留ではなく決裂の印象が強くなってきている。何度も保留が続けば、球団だけでなく、選手側も「金目当て」、「金にうるさい」という悪い印象をもたれてしまうため、なるべく選手も下交渉をして気持ちよく一発でサインをしたいというのが本音なのだ。