仁志監督、小宮山監督の実現なるか 進むプロ・アマ雪解けへの大きな一歩

プロとアマの間に存在した溝

 多くのプロ野球経験者が机に座り、6時間以上も講義を受けていた。日本学生野球協会が今月13日に、プロ経験者が高校・大学の監督などの指導者になるための学生野球資格回復研修会を初開催した。巨人、横浜でプレーした仁志敏久氏、ロッテやメジャーリーグなどでプレーした小宮山悟氏らが出席。他にも、プロ・アマチュア問わず「どんな指導をするのか見てみたい」というファンからの声が聞こえてきそうな元プロ選手たちが参加した。

 初開催と書いたが、以前にも似たような名称の「研修会」はあった。ただ、今年7月などに合計4度開催された「研修会」はプロ側の主導。その際は、のべ500人の元プロ選手が参加している。そして今回は初めてアマ側の日本学生野球協会が主催した「研修会」だった。指導者を目指す元選手らは、プロ、アマ両方の研修会に参加しないと、指導者になる資格が手に入らないのである。

 これは雪解けしつつあるプロ・アマ間の大きな一歩だった。これまでは、元プロの選手たちが高校で野球部を指導するには、2年以上の教諭歴が必要だった。しかし、学生野球協会側は、高校生の力の向上につながればと規定を改正。短時間の座学の研修を受け、日本学生野球協会の適性審査に通れば、プロに入ったことで失われていた指導資格を回復できるようになった。

 これまでアマチュア側の態度を硬化させてきた大きな要因と言われるのが、1961年の「柳川事件」。この出来事だけが原因ではないが、これがきっかけとなってプロとアマの壁が強固なものとしてしまったのは事実であるため、ここで改めて振り返っておきたい。

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