メジャー挑戦への熱き思い 田中将大の覚悟が垣間見えた1年を数字で振り返る
日本中の注目を集めた連勝記録
楽天の田中将大投手(25)が、ついにメジャー挑戦を表明した。現時点で、楽天がポスティング・システム(入札制度)の申請を認めるかは、明らかになっていない。ただ、昨年12月の契約更改の席でメジャー挑戦の意思があることを表明してからの1年間、球界のエースが並々ならぬ意気込みでマウンドに上がり続けたことだけは間違いない。ここでは、楽天を初の日本一に導いた田中が“最後のシーズン”に見せた覚悟を数字で改めて振り返りたい。
まずは日本中の注目を集めた連勝記録だ。
【開幕9連勝】
6月16日の阪神戦で9回6安打無失点の完封勝利を挙げて達成した。2008年の岩隈久志を超えて球団新記録。ただ、これは序章に過ぎなかった。
【開幕16連勝】
1つ目の日本記録となった。8月9日のソフトバンク戦で7回4安打無失点と好投し、1981年の間柴茂有、2005年の斉藤和巳が持っていた開幕15連勝のプロ野球記録を塗り替えた。
【21連勝】
8月16日の西武戦で8回5安打1失点に抑え、昨年8月26日からの連勝は「21」に。松田清(1951~52年)、稲尾和久(1957年)のプロ野球記録を軽々と超えてみせた。
【開幕20連勝】
記録の対象はついに海を越えた。9月6日のソフトバンク戦は9回7安打2失点で勝利。1888年にティム・キーフ、1912年にメジャーリーグでルーブ・マーカード(ともにニューヨーク・ジャイアンツ)が記録した開幕19連勝を上回った。今年、田中が塗り替えた最古の記録だ。
【同一シーズン21連勝】
9月13日のオリックス戦で9回10安打2失点と快投。稲尾のシーズン20連勝を塗り替えた。これで、「神様」の持つ2つの記録を超えたことになる。
【連続シーズン25連勝】
同じオリックス戦で昨年からの連勝は「25」まで伸びた。これは1936~37年にカール・ハッベル(ニューヨーク・ジャイアンツ)が刻んだメジャーリーグ連勝記録の「24」を上回る数字。これで、すべての連勝記録を塗り替えた。
田中は最終的に開幕24連勝、シーズン28連勝を記録。ポストシーズンでの2連勝を足すと、日本シリーズ第6戦で敗れるまで連勝を「30」まで伸ばしたことになる。この3つの記録は、シーズン終了後にギネスに認定されている。キーフ、マーカードの記録は実に100年以上も前のもの。難攻不落の数字として、この先も輝き続けるだろう。