2014年に飛躍を期待したいプレーヤー ソフトバンク・猪本健太郎はその長打力でのし上がれるか

フルスイングが魅力の長距離砲

 ソフトバンクには九州全域から集まった好選手たちが揃っている。そのうちの一人が熊本・鎮西高校から2008年、育成ドラフト4位で入団した猪本健太郎選手(23)である。左の柳田悠岐外野手(25)の飛躍も期待されるが、この未完の右の大砲にもぜひ目を向けたい。

 フルスイングが魅力の打者。昨年はウエスタン・リーグ2位の14本塁打を放ち、シーズンオフについに支配下登録された。本職は捕手だが、今年は日本ハムから鶴岡が加入。ほかにも細川、高谷、山下といった捕手が揃っているため、王貞治球団会長にも評価される長打力を生かすためにも、内野、外野でのプレーも目指すことになる。

 183センチ、92キロという恵まれた体格。内野は一塁手か三塁手になりそうだ。昨年も捕手以外のポジションを練習している姿はあった。「僕は捕手というよりも打者として見られたい」とバッティングには自信を見せている。ライバルは多く、フルスイングだけでは勝負はできない。まずはバットにボールを当てる確率を上げることが重要。1軍レベルの投手の配球を学び、捕手にしか分からない打席での心理を感じ取れれば、大きく飛躍する可能性はある。

 19歳の時にフレッシュオールスター史上初となる育成選手での本塁打を放ったことで注目されてから3年半。ついに1軍戦に出場できるチャンスが到来した。見方によれば、育成選手として5年も費やしたとも取れるが、育成4年目で支配下登録されて昨年ブレークしたロッテの西野勇士投手のような例もある。

 昨年、1軍デビューを果たした巨人の立岡宗一郎内野手とは高校のチームメイト。同級生が先に1軍の舞台に上がったことは何よりも刺激になった。ソフトバンクには、ポジションこそ違うが、山田大樹投手や千賀滉大投手のように育成からスターダムにのし上がった選手もいる。猪本自身、毎年、ラストチャンスだと思って戦ってきた。過去には左手尺側根伸筋腱脱臼による手術も経験。時間がかかった分だけ、より遠くへ羽ばたけるはずだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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