バリエーションに富むプロ野球のオフの合同自主トレ メンバー構成はどうやって決まる?
古巣のグラウンドを使う選手も
【原点回帰組】
オリックスの岸田護投手や、西武の脇谷亮太内野手は京都にある社会人時代のNTT西日本のグランドを使う。このように古巣でやるケースも多く見受けられる。ある選手は「プロを目指した頃のがむしゃらだったときを思い出したい」、「どんな思いでプロを目指していたかを感じ取りたい」などと、原点回帰の思いを込め、かつて汗を流したグラウンドに戻るという。
そのほか、社会人の東京ガスでは阪神の榎田大樹、楽天の美馬学の両投手が一緒に自主トレを行う。2人は同僚のときに、榎田が先発、美馬がリリーフとリレーしたこともあり、昨季は互いの活躍が刺激にもなっていた。
【共通の知人を介するケース】
「この選手たちにどこに接点があるの?」という組み合わせもある。例えば、中日の吉見一起投手とソフトバンクの千賀滉大投手。まだ千賀が育成選手だった2012年にチームの先輩で、現在は引退し社会人野球でプレーしている近田怜王氏の誘いで合同トレに参加した。そこで吉見や元中日のチェンらが指導を受けるトレーナーを近田氏が千賀に紹介。彼らは一緒にオフに自主トレを行うようになった。千賀は同じ右腕の中日のエースから球種を学び、昨年ブレーク。この出会いが縁で、頭角を現してきたといっていい。
【大学同級生組】
早稲田大学出身の日本ハム・斎藤佑樹、西武・大石達也、広島の福井優也の3投手の合同自主トレ。彼らは2010年に大学日本一になり、その秋のドラフトでは注目の的だった。福井と大石は知人の個人トレーナーが同じであるため、以前から一緒に行っているが、斎藤もそこに加わる。3人とも思うような結果を残せていないということもあり、再出発という意味合いも強い。