バリエーションに富むプロ野球のオフの合同自主トレ メンバー構成はどうやって決まる?
二人以上で自主トレを行うメリット
【異業種組】
何も合同トレーニングはプロ野球選手に限ったことではない。ソフトバンクの内川聖一外野手や巨人の大累進内野手は、知人のトレーニングコーチや栄養士らを介して、陸上女子100、200メートルの日本記録保持者、福島千里との合同トレが実現。走り方などを学んだ。内川と大累は同時期に自主トレを行ったわけでなく、別々のタイミングで行っているが、共に「吸収できるものはすべて吸収したい」という姿勢で女王との合同練習に臨んでいた。
【そのほか】
これまでの例は共通の知人やチームメートなど、何かしらの接点があった。ただ、巨人の鈴木尚広外野手と横浜DeNAの荒波翔外野手の2人にはこれまで接点はなかった。走塁では他球団の選手から一目を置かれている鈴木に、技術を学びたいと思っていた荒波が「一緒に自主トレをさせてください」と依頼。鈴木は快諾し、球団の垣根を越え、球界の発展のため、惜しみなくその技を伝授しているという。荒波の技術を学びたいという思いが、合同トレにつながった。
2人以上でトレーニングをすることは、妥協をしなくなる、相手の技術を盗むというメリットがあるため、選手たちはオフの間に積極的に合同での自主トレを行っている。だが一方で、誰とも組まずに一人で黙々と自主トレを行う選手もいる。そこには甘えを断ち切るという狙いもあるようだ。どのような形であっても、目標は新シーズンで結果を残すこと。オフの時期から選手たちの戦いは始まっている。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count